微表情

フラッシュのように一瞬で表れては消え去る微妙な表情、微表情。このブログでは、微表情、表情、顔を始めとした非言語コミュニケーションの研究や実例から「空気を読む」を科学します、「空気」に色をつけていきます。

2015-01-01から1年間の記事一覧

機械とも感情のやり取りをしたい今日この頃です

私はよくweb上で様々な講座を受講します。webの授業は効率的に学習を進められるので重宝しているのですが、どうしても避けられない欠点を感じます。 それは、わからない、難しい、もう十分わかった、くどい…というときに自分でwebの速度を変えなくてはいけな…

ウソ検知の科学⑭―ウソ検知の科学の新しい幕開け

これまで14回に渡ってウソ検知の科学をお送りしてきました。本日でシーズン1終了ということになります。また頃合いを見計らってシーズン2を始めたいと思います。 シーズン1最終回の今回扱う話題は、ウソ検知の科学の旧世代と新世代に関する話です。 日本の書…

微表情のある風景③―過去の贖罪

「微表情ある風景」第三話は、 「言うに言われぬ過去を背負っているあなたのココロはどこに行く」 です。 倫理的に反したことをしてしまった人が、自己の過去について語ってくれました。 その人は、 「もう過去の事だから」 と言い放ちます。 もう済んだこと…

ウソ検知の科学⑬―ウソを読み解くのが得意な人たち

通常、ウソを検知する私たちの能力は偶然レベルを超えることはないのですが、この能力に秀でた人々が存在します。 ①真実の魔術師(Truth wizards) 80%以上の精度でウソを検知できる人々がおり、彼らは「真実の魔術師(Truth wizards)」と呼ばれています(O’Su…

表情分析官への道④

シリーズ表情分析官の道、前回から2ヶ月程、日が空いてしまいました。ところでこの表情分析官の道は、ナビゲーターです。表情分析官になるために「何が必要か」は示していますが、「どのようになるのか」については、詳細にご紹介していません。表情分析官の…

宗教タブーと嫌悪感

本日は、「ウソ検知の科学」をお送りする予定でしたが、気になるニュースがあったのでそれについて一言書かせて頂きたいと思います。 宗教タブーと嫌悪感についてです。 特定の宗教を信じているからこそ感じてしまう嫌悪感というものがあります。 東京入国管…

感情と会話のシグナルー解説編

先週の記事で感情と会話のシグナルに関する問題を出題させて頂きました。本日はその解説をさせて頂こうと思います。前回問題として使用した画像は以下の通りです。 ※本画像の権利は、株式会社空気を読むを科学する研究所に帰属します。無断転載を禁じます。 …

ウソ検知の科学⑫―警察官のウソ検知能力②

前回、ウソ検知実験の多くは、大学の実験室において行われ、ウソをつく人々は大学生なので警察官が実務で直面するウソ状況とは違う、ということを書きました。そこで本日は、本当の犯罪に関する証言に対して警察官はウソを正しく判定できるのかについて調査…

感情と会話のシグナルー問題編

私たちがコミュニケーションのために使う顔の動きは、大きく2つに分類することが出来ます。一つは、感情を伝える表情で、もう一つは、会話の流れを調整する会話のシグナルです。 本日は、眉の動きに関してその違いをご紹介しようと思います。 意味の特定され…

ウソ検知の科学⑪―警察官のウソ検知能力

私たち一般人のウソ検知能力を測定する諸実験によると(Vrij, 2000)、私たちのウソ検知率は、56.6%であることがわかっています。ウソかどうかを正しく判別することのできる偶然の確率は50%なので(※)、私たちのウソ検知能力は偶然レベルを少し上回る程度であ…

微表情のある風景②―CSが高まるカフェ

「微表情のある風景」第二話です。 本日のお話は… 「シンパシーを感じるカフェの店員さん」 私がよく行くスタバでのこと。 新商品らしきパンのようなものが目に入りました。 「これは何だろう、どんな味だろう」と思い、店員さんに聞きました。 私:「このパ…

ウソ検知の科学⑩―ウソのサインのウソ・ホント②

ウソのサインに関する誤解はどうして生じてしまうのでしょうか?個人的な経験、「専門家」の話やウソを見抜く系のハウツー本などによって形成されることはよくあると思われます。その中でも、今回はウソ検知に関する誤った認識を広げてしまっている書籍をご…

アメリカ人とアジア人、微表情が出やすいのはどちら?

アメリカ人とアジア人とを比べると、微表情はどちらの顔に出やすいのでしょうか?私の知る限り、このことを直接検証した研究はありません。したがって、結論としては、答えはわかりません。私見としては、皆さんと同じだと思われます。アメリカ人の方が出や…

ウソ検知の科学⑨―ウソのサインのウソ・ホント

ウソつきは目が泳ぐ、身体をモジモジさせる、腕を組む…そんなウソつきの動きにまつわるボディーランゲージを耳にしたことがあると思います。これらのことは、私たち日本人だけが知っている情報でしょうか?日本人特有の動きなのでしょうか?世界の人々も同じ…

微表情のある風景―終電間際の上司と部下

新シリーズスタートです。題して「微表情のある風景」です。 本シリーズでは、日々私の日常で垣間見る微表情や素敵な表情、表情コントロールなどをご紹介しようと思います。 記念すべき第一話は… 「ひどく疲れた日の終電間際にふとココロが軽くなった瞬間を…

ウソ検知の科学⑧―ベースラインの構築

シリーズ「ウソ検知の科学」、今回のテーマは、 どのようにベースラインを構築すればよいのか、 についてです。 いくつかありますが、今回はポリグラフ検査で実施されている質問方法を参考にご紹介します(※)。どんな質問方法かというと、 ①「犯人(と捜査…

準万国共通な表情2―罪悪感

表情には万国共通の7表情というものがあります。 この表情は、時代を超え、文化を超え、性別を超え、誰の顔にも同じように表れることがわかっています。 実はこの7表情以外にも11の表情も万国共通ではないかと考えられており、世界中の多くの科学者たちが…

ウソ検知の科学⑦―無実だからこそキョドっているのです?

前回、前々回の「ウソつきの行動」で挙げたウソのサインを示す行動を、ウソをついている疑いがある人物が取ったとしても、その人がウソをついていると結論付けるには慎重にならなければいけません。人の動きには個人差―主に個人特有の癖―があるため、ウソの…

怒られているのに笑っている人の謎

口角が引き上げられるのと同時に目の周りの筋肉が収縮する表情。この表情は、ドゥシェンヌ・スマイルと呼ばれ、心から楽しいと感じられるときに現れる笑顔です。 しかし、このドゥシェンヌ・スマイル、ネガティブな場面でも観察されることが知られています。…

表情を読み、表情で伝える「感」・「伝」・「治」プログラム始動

弊社、株式会社空気を読むを科学する研究所と株式会社人の力コラボプロジェクト、 その名も、 表情を読み、表情で伝える「感」・「伝」・「治」 が始動し始めました! (6月に行わせて頂いた「感」・「伝」・「治」セミナーin 東京ドームプリズムホールでの…

表情分析官への道③

前回の表情分析官への道②から少しあいてしまいました。 本日は、表情分析官への道③ということで、 必須条件①TOEIC900点程度を取得することの続きを書こうと思います。 前回は、TOEIC900点相当の英語力をつけるために、到達イメージ、学習期間、参考書につい…

ウソ検知の科学⑥―ウソをつくとドキドキする?

ウソつきの典型的な動きって何だと思いますか? 心臓がドキドキする、手や足が震える、瞬きが増える…etc こうした例が思い浮かぶと思います。 こんな動作が生じるときというのは、それは私たちが緊張しているときです。 ウソをついているとき、緊張するとい…

人は見た目が9割?―寝不足の顔編

人は見た目が9割シリーズ、今回は寝不足の人の顔編です。 寝不足の人って何となくわかりますよね。本当にその感覚は当たっているでしょうか?寝不足の人から受ける印象は何ですか?どこを見て寝不足の人だと判断していますか? 本日はそんな謎に迫ったいくつ…

ウソ検知の科学⑤―ウソつきの行動②

前回、ウソのサインについてご紹介いたしました。 今回はそれぞれのサインについて解説しようと思います。 ①高い声のピッチ 嘘をつくときに起きる感情の高ぶりが、声のピッチを高める場合があります(Ekman, Friesen, & Scherer, 1976)。しかし、嘘つきと正直…

赤ちゃんの「見せ」笑顔

このブログは元々私の思いつきで非言語、主に表情に関する単発の話題を書いておりました。最近は何となくシリーズ系の話題が多くなってきましたので、ここらで単発な話題も書こうと思います。ということで、 本日は赤ちゃんの笑顔についてです。 赤ちゃんは…

ウソ検知の科学④―ウソつきの行動

今回のテーマは、ウソつきの行動です。 ズバリ言いますが、ウソつきの行動というものはありません。 しかし、ウソつきの行動性向というものはいくつか発見されています。 それでは、本題に入りましょう。 100以上のウソ検知に関する研究より明らかになって…

2015年6月13日(土)「表情分析プラクティショナーコース」レポート

今回は6月13日(土)に弊社で開催させて頂きました「表情分析プラクティショナーコース」の様子をレポートさせて頂きたいと思います。 今回のコンテンツは、6月6日(土)に開催させて頂いたプラクティショナーコースの続きです。6月13日(土)に行わせて頂い…

ウソ検知の科学③―なぜ非言語情報に頼るのか?

ウソを見抜こうとするとき、そもそもなぜ私たちは、表情、声、ボディーランゲージを始めとした非言語情報に頼ろうとするのでしょうか? このことを考えておくことは、ウソを見抜こうとする際に、過度に非言語情報に頼り過ぎる、という危険を冒さなくなるだ…

2015年6月6日(土)「表情分析プラクティショナーコース」レポート(私信)

6月6日(土)に弊社で開催させて頂きました「表情分析プラクティショナーコース」の様子を本日はレポート(私信?)させて頂きたいと思います。 先日の6月6日(土)に行わせて頂いたコンテンツ(➡は清水のコメント)は次の通りです。 Lesson1 微表情から察す…

ウソ検知の科学②―そもそもウソって何?

ウソという現象を扱う前に、ウソとは何か、をしっかり知っておく必要があります。 有名なウソの定義として、次のようなものがあります。 ウソとは… 「事前にダマすという通告を与えずに、相手に誤認識を意図的に与える行為(Ekman, 1985/2001)」 このことから…