ウソの見抜き方
「微表情って証拠になるの?」と捜査関係者に聞かれます。答えは… 「なりません。」 「当たりはつきますケドね。」 清水建二
ウソ検知をするには、言語・非言語サインの観察及び情報収集アプローチ、ラポート形成、戦略的証拠提示法などあらゆる戦略を駆使する必要があります。表情の観察ポイントだけ挙げたとしても、ウソに関連する表情や認知的負担や感情抑制を示す表情、微表情な…
7月4日(火)放送の「この差って何ですか?」のスタジオ収録に先立ち、打ち合わせ中に急遽、私がウソをどれくらい読みとれるかの仮実験がなされました。 いきなりだったので、「え~!」となり、不安でしたが好奇心の方が勝り、私は結構前のめりに。なぜなら…
瞬きの増加と鼻にさわる動きはウソのサインではない、前々回及び前回のブログで取り上げさせて頂きました。 鼻にさわる、という動きをより抽象的な視点で説明しますと、自分の身体の一部で他の身体の一部をさわったり、つねったり、さすったりするマニュピュ…
前回の続きです。 なぜ不倫会見時の映像と普段の会見映像を比べた結論は問題なのか?です。 それは同じものを比べていないからです。 夫や妻に不倫を疑われ、それを否定している情景を想像してみて下さい。 緊張しませんか? 本当に不倫をしていても、本当は…
「ウソのサインである」とは、正直者とウソつきとを分けることが出来るサインのことです。こうしたサインの特定を求めて100年以上にわたり科学研究が重ねられています。 良く知られる有名なウソのサインとして「瞬きが増加する」「鼻にさわる」という動きが…
微表情という言葉が広がりつつあることに嬉しさを覚えると同時に微表情の意味を即断し、微表情=ウソとナイーブに結び付けてしまう言説が散見されるようになってきました。 そこで本日は微表情をウソ検知に利用する際の注意点について書かせて頂こうと思いま…
前回のブログでは「表情分析からウソを推定する方法」を紹介させて頂きました。今回のテーマは「表情観察からウソを推定する方法」です。分析と観察とでは何が違うのか?ざっくり言うと、カメラで記録して精査するか目視でリアルタイムかの違いです。 前回…
これまで拙著やセミナー、ブログなどでウソの見抜き方について扱ってきましたが、今一度、このプロセスについて明確にしたいと思います。 表情分析を用いたウソの推定方法は、表情分析、科学知見の統合、個人差の検討という3つのフェーズから成ります。3つ…
前回のブログをまだお読みになっていない方は、是非お読みください。お読み頂いた方が、本ブログ読後の納得感が違うと思います。 では、改めまして。以下に保安員とあなたの会話を展開します。保安員の質問に真実条件とウソ条件でそれぞれ答えてみて下さい。…
空港で行われる保安検査において、普通の旅行者と非旅行者(不法入国者やテロリストなどの犯罪者)とを見分けるために様々な手法が各国、各空港で実施されています。 代表的なものに微表情やボディーランゲージなどの非言語観察を用いた検査法があります。…
嘘発見器 一度ならずともこの機器について耳にしたことがあると思います。身体にいくつかの器具が取り付けられ、すべての質問に「いいえ」で答え、ウソをついていたら「いいえ」と回答した瞬間に嘘発見器が反応する、という機器です。 よく刑事ドラマやバラ…
本日は、久々にウソ検知ネタをご紹介しましょう。 警察の取調べ室に入ると、何度も何度も同じことを聞かれます。それは犯罪容疑者に限らず、事件の目撃者や捜査協力者を問いません。もちろん何度も同じ質問をするのは、証言の信憑性を判断したり、確かな記憶…
先週は、ウソのサインが生じ得るかどうかということに関して文化がどう影響するかをご紹介しました。ウソをつく側の問題についてでした。本日は、ウソを見抜く側の問題についてご紹介いたします。 異なる文化圏に属する人の話の真偽を判定し、その精度を測る…
本日のテーマは、各文化に属する人の「ウソの捉え方」に関してです。 ウソという言葉には定義があるので、ある人物の行為をウソかどうか客観的に判定することはできます。しかし、ウソをついている当人が自分の行為を非道徳であると考えていなければ、ウソの…
これまでのウソ検知研究の中でそんなにスポットが当てられなかった領域があります。それは、文化間に関わるウソです。 ある文化に属する人が、他の文化に属する人のウソを検知しようとするときに、何を気を付けるべきで、どんな問題が想定され、ウソ検知の精…
前回の続きです。 本物のカップルと偽装カップルの行動上の違いは何なのでしょうか? 本研究から見出されたことは、 ①質問者によって話が中断された時、本物のカップルは話をスムーズに続けることができるが、偽装カップルは、パートナーの前言を繰り返して…
これまでのウソ検知の科学は、個人がつくウソを対象に行われ、個人がウソをついたときに生じる反応に焦点がおかれて来ました。しかしウソは一人だけでつかれるものとは限りません。組織犯罪、テロリズム、集団窃盗、集団詐欺、違法入国、偽装結婚ナドなどは…
前回の続きです。 オリンピック宣伝用の写真を撮って来るように頼まれた写真家と爆弾を仕掛ける場所を撮って来るように頼まれたテロリスト、見た目上はカメラを首にぶら下げ、撮影しているだけです。両者をどう区別するのでしょうか? 二つのステップから正…
今回のブログは、東京オリンピックの警備にも関わるお話です。 観光地や有名な都市には様々な人が訪れ、多くの人々がその思い出を写真に収めています。その多くは、普通の観光客や写真愛好家なのですが、その中にテロリストや犯罪者(正確に言えば将来の犯罪…
先週の土曜日の続きです。 もっとウソ検知率の高い質問方法は? ということで、今回は単体でもウソ検知率が高い質問方法を簡単にご紹介します。 反予測質問法 反予測質問法とは、回答者が回答を求められることを予測していない質問をする方法です。ウソつき…
先週の土曜日の続きです。 ウソをついている者は正直な者に比べて、認知的負担が高い状態にいます。そこでインタビューのときに認知的負担を高める質問をすることで、ウソつきにとっては答えるのが難しく、正直な者にとっては答えることが容易な質問法が様…
ウソをつくときって頭を凄く使いますよね。これを、認知的負担が高い、と言います。 ウソを上手くつくために、自分が話したウソの内容を覚えていなくてはいけないし、辻褄が合うようにストーリーを構築しなくてはいけないし、相手に与える印象も正直者に見え…
本日より、いよいよウソ検知の科学シーズンⅡのスタートです! ウソ検知の科学シーズンⅠでは、これまでのウソ研究で明らかになったウソ検知法、ウソのサインの集大成を非言語情報に焦点を当てご紹介してきました。 実験室や実際の取調べの様子、会見映像で証…
様々な場所で研修をしていると度々、質問されることがあります。 「どのくらい勉強すれば、非言語の知見を現場で使えるレベルになりますか。」と。 現場の定義が難しいのですが、だいたい次のように答えます。 「座学、実習、自習含め、最低100時間は必要で…
本ブログでは、度々、微表情でウソを見抜けるのか?という話題を扱ってきました。これまでの話題をまとめますと、 ①失うものが大きいときのウソには、微表情が表出される傾向にある。 ➡「失うものが大きいとき」とは、ウソが露呈すると、大金を失なう、大切…
相手に良い印象を与えるために素敵な笑顔を作ったり、相手のココロに寄り添えるように共感表情を作ったり、と私たちは状況に応じて積極的に表情を作ります。一方で、ウソをついたり、バツが悪かったり、相手に気を使うときなど、状況に応じて表情を抑制する…
人狼ゲームが流行っていますね。 映画・テレビなどで取り上げられたり、婚活に活用されたり、知人の講師職をされている方々も研修に積極的に取り入れております。またウソ研究の一つとして大学で研究対象としても注目されています。 正直、私は人狼ゲームの…
これまで14回に渡ってウソ検知の科学をお送りしてきました。本日でシーズン1終了ということになります。また頃合いを見計らってシーズン2を始めたいと思います。 シーズン1最終回の今回扱う話題は、ウソ検知の科学の旧世代と新世代に関する話です。 日本の書…
通常、ウソを検知する私たちの能力は偶然レベルを超えることはないのですが、この能力に秀でた人々が存在します。 ①真実の魔術師(Truth wizards) 80%以上の精度でウソを検知できる人々がおり、彼らは「真実の魔術師(Truth wizards)」と呼ばれています(O’Su…