今回のブログは、東京オリンピックの警備にも関わるお話です。
観光地や有名な都市には様々な人が訪れ、多くの人々がその思い出を写真に収めています。その多くは、普通の観光客や写真愛好家なのですが、その中にテロリストや犯罪者(正確に言えば将来の犯罪者)が紛れていることもあります。
テロリストや犯罪者らは自らの要求を効果的にアピールするために、テロや事件を起こすターゲットを有名な都市や観光地にすることが多々あります。そして彼らはそのターゲットとなる候補地を決めるにあたりそうした場所に下見に来るのです。
犯罪行為を確実に成功させるには、綿密な準備が必要です。そのため彼らは事前にその候補地に出向き、監視が厳しいところ・緩いところ、監視カメラ・警備の位置を確認し、例えば爆弾などを仕掛ける適当な場所などを探索します。
そしてそれらの場所を写真に収め、検討の材料とします。
それでは、
普通に写真を撮っている旅行者や写真愛好家と犯罪行為の計画のための写真を撮っている犯罪者予備軍とを見分けることは出来るのでしょうか?
Vrijらが行った実験によれば(2015)、両者の区別は出来る可能性が高い、ということです。
実験の概要は次の通りです。
実験参加者は、正直者グループとウソつきグループに分けられ、正直者グループには、「オリンピック開催地の宣伝をするために宣伝用の写真を撮って来る」というミッションが与えられます。ウソつきグループには、「オリンピック開催地で爆弾テロを起こすため、警備体制の確認及び爆弾を仕掛ける場所を写真に撮って来る」というミッションが与えられます。オリンピック開催地のある場所で、正直者もしくはウソつきが一人で写真を撮りに行きます。
こうした設定のもと行われた実験。
どんな方法で普通の写真家と悪意を持つテロリストを区別するのでしょうか?
次回に続くです。
清水建二
参考文献
Jundi, S. Vrij, A. Mann, S. Hillman, J. Hope, L. (2015). ‘I'm a photographer, not a terrorist’: the use of photography to detect deception. Psychology, Crime & Law Volume 21, Issue 2, 114-126.