2014-01-01から1年間の記事一覧
本年最後の投稿は私の愛してやまない不動明王像についてです。 不動明王様には色々な種類がございますが、 笑っている不動明王様にお目にかかったことがある方はいないはずです。 しかしお不動様のお顔をよく拝していると笑顔が見えてきます。 笑顔の痕跡が…
接客業を営んでいると少なからずお客さんからクレームを頂くことがあると思います。良識のあるものから無茶なものまで、クレームだとわかりにくいものから明らかに憤慨されながらなされるクレームまで様々だと思います。 様々な接客研修でよく聞く話だと思わ…
自分の買った宝くじの番号が当りの番号と 一つだけ違う場合と全く番号が違う場合、 どちらが悔しいですか? 前者と答える方々が大半だと思われます。 同じ外れでもその感じ方は違いますよね。 似たような現象が表情にも表れることがわかっています。 オリン…
「その笑顔に腹が立つんだ!!」 ようなのです。 ある課長さんがおっしゃっていたのですが、部下の方がクレーム対応をするとき、怒っているお客さんに笑顔で対応し、その怒りにさらなる油を注ぐことになってしまったというのです。 「時と場にあった表情をする…
まずはこちらの動画をご覧ください。 この3分間の動画に様々な微表情やしぐさが表れているのですが、 その中でも特徴的な微表情及びしぐさをご紹介させて頂こうと思います。 0:16でキャスターの左の口角が引き上げられます。 これが「軽蔑」の微表情(正確に…
今回はLie to meから学べる表情学の第5回目です。 本日取り上げる話題は、Lie to meエピソードⅠ第1話のあるシーンです。 始まりから23分くらいのシーンでジリアンがある政治家に特定の日の出来事について 質問しています。その後、 「その日の出来事を逆から…
羞恥(embarrassment)と恥(shame)の違いは何でしょうか? どちらも「恥ずかしい」という感情を含んでおり、区別するのが難しいですね。 しかし私たちは、それを知らず知らずのうちに見分けています。 ちょっと簡単な実験をしてみましょう。 問題: ①人前でス…
二十歳のときにある事件に巻き込まれて以来、私は人がつくウソという現象に大きな関心をよせるようになりました。とりわけ、 どうすればウソを見抜けるようになるのだろうか、 と。 その答えを求め、犯罪学からプロファイリングを、統計学からベイズ確率論を…
外国の人、とりわけ欧米の方、と話していて、何か怖いな、と感じたことはありませんでしょうか? 別に議論の席とかではなく、海外旅行中のときの定員さんとの会話とかでです。 何か凄く真顔が気になるのですよね。 真顔で対応されていると何だか怒られている…
様々な観察調査において、自閉症のお子さんの表情は、正常な発達段階にいるお子さん(※)の表情と比べ、変化に乏しいということが知られています(例えば、RP Goin-Kochel, BJ Myers, 2005)。これは、自閉症のお子さんに内在する感情機能の異常によるところが…
前回の記事では、表情識別力と交渉力との関係についてある研究を紹介しました。その研究によると、表情を識別する能力と交渉の売り手側のスキルとには正の相関が見られる、ということでした。この研究結果に対する疑問として、2つ挙がります。 疑問1:なぜ売…
ボディーランゲージを読みとくスキルの高低がビジネスを行う上でどう有利に働くのかについて様々な研究がなされています。その中に、表情識別力と交渉力との関係について検証した興味深い研究があります。 この研究によると、表情を識別する能力と交渉の売り…
まずはこちらの動画の1:01あたりをご覧ください。 「2秒以上驚きが続いたらそれは作られた驚きだ」とライトマン博士は言っています。 さぁ、これは科学的に正しい知見でしょうか? 正解は… その通り! です。 「驚き」感情が表情に表出されるとき、 本当の驚…
お医者さんがしっかりこちらの目を見て、こちらの言葉に注意を向けてくれると、それだけで安心出来ますよね。まぁ、中には、こちらの顔をほとんど見ないお医者さんもいたりしますが…。 さて、お医者さんにとって、患者さんの自覚症状に関する説明があいまい…
まずはこちらをご覧ください。 前にも紹介させて頂きましたGoogle glassという商品です。 メガネレンズの横に装着された装置が 人の性別、年齢、瞬き、そして感情を読みとるのです。 しかもリアルタイムで! 凄い!かつ、ある意味怖いわけでありますが、 ま…
Lie to meの話題も本日で3回目となりました。 この作品は、とても面白く、ためになるのですが、劇中の話題を現実世界に利用しようとするときには注意が必要です。 全シリーズを通じて、表情学及び嘘検知の世界的権威であるポール・エクマン博士の研究がベー…
前回の続きです。 就職面接にて 面接官:「なるほど。あなたは部活のリーダーだったのですね。リーダーとして苦労した点は何ですか?」 応募者:「(一瞬、目線を下げて)…はい。」 応募者のこの動きは何を意味するのでしょうか? 目線の動きと共に頭が下を…
まずはこちらの動画をご覧ください。 Lie to meのオープニングです。 何やらころころ変わる顔の動きに合わせて数字とアルファベットが「ぴょん!」と飛び出しております。 「6D+12D+25C:GENUINE SMILE」 「1A+2A+5A:SURPRISE」 などなど。 これはFACSコード※…
ケース① 家にて返却された宿題の点数を見たお母さん お母さん:「テストで30点!ちゃんと勉強したの?」 子ども:「(一瞬、目線を下げて)…はい。」 ケース② 中古車センターにて お客さん:「この車、ちょっと安すぎませんか。」 ディーラー:「(一瞬、…
一般的に高齢になるほど記憶力、注意力、思考力などの認知機能全般の機能が低下していきます。そのため様々な刺激に対し、高齢者の方々が感情を様々に感じ、表情を豊かに表現する傾向が弱まってしまいます。 笑顔もその例外ではございません。 認知機能が低…
私がまだ学生の頃、就職活動の一環で外務省に訪れたことがありました。学生同士で討論する場があり、それぞれが思い思いに意見を述べていました。ある女性が話をしているとき、ふと私はその人の話の内容よりも表情ばかりに意識が向かっていました。 (この人…
オフィスや大学にちょっと良いコーヒーメーカーがあり、そこに集金箱があります。値段は50円。 はい!お金入れずに、飲んだことのある方、正直に手を挙げて下さい! …。 田舎には、無人の野菜売り場があり、そこにもお金を入れる箱がありますよね。無人駅に…
さてさて前回、前々回、そして今回と利き腕選好の話は続きます。 私たちは利き腕のある方に選好を向けるということが実験室で検証されました。 「身体特異性仮説(The body specificity hypothesis)」(Casasanto,2009)によれば、私たちの思考は、特定の身体動…
本日はいくつかお知らせをさせて頂きたいと思います。 イベント ・ ≪HR Cafe≫ 「”観察力”を鍛えるとは? ビジネス・日常生活での『空気を読む』を科学します」 日本人材マネジメント協会様主催のセミナーに登壇させて頂きます。状況察知能力及び微表情検知力…
前回の記事では、文化や言語を通じて「右」と「良きもの」を関連づける傾向にある一方で、私たち個人の選好は、利き腕の方に偏っているという実験結果を紹介しました。 文化・言語が作り上げた「右」側に対する選好と私たち個々人の利き腕に対する選好の不一…
仏教では、「右仏、左わが身」などと言います。イスラム教では、右手は食事のために、左手は汚い仕事をするために使い、右足からモスクに入り、左足からトイレに入る、と言います。インドや中国では、左手で食事を摂ることがタブー視されています。 さらに言…
私が学習塾で中学生の勉強を教えていたとき、問題ミスの指摘に対し、「怒り」表情で反応していた子がいました。ミスを犯してしまったときのような恥ずかしい場面では、羞恥心を感じるのが一般的なのですが、彼は「怒り」反応だったのです。私が教えていたこ…
みなさん、アメリカのドラマ『Lie to me 嘘の瞬間』をご存知ですか?日本では4年前くらいからDVDがリリースされ、同時期から今年の初めくらいまでテレビで再放送が何度かされていましたのでご存知の方もいらっしゃるかと思います。 まずは紹介動画をご覧くだ…
まずは下記の動画をご覧ください。2枚の写真の中でどちらが愛想笑いかを当てるクイズです。3組の写真が次々提示されます。「FAKE」という文字とともに残される写真が「愛想笑い」、つまり正解ということです。さて何問正解出来るでしょうか? どうでしたでし…
本ブログで何度か紹介させて頂いております通り、いつでも、どこでも、誰の顔にも表れる万国共通な7つの表情というものが存在しています。表情学の世界では、これらの7表情以外にも万国共通な表情があるのではないかと考えられ、目下、研究が進められており…