微表情

フラッシュのように一瞬で表れては消え去る微妙な表情、微表情。このブログでは、微表情、表情、顔を始めとした非言語コミュニケーションの研究や実例から「空気を読む」を科学します、「空気」に色をつけていきます。

続・右は正義?

 

前回の記事では、文化や言語を通じて「右」と「良きもの」を関連づける傾向にある一方で、私たち個人の選好は、利き腕の方に偏っているという実験結果を紹介しました。

 

文化・言語が作り上げた「右」側に対する選好と私たち個々人の利き腕に対する選好の不一致に関する疑問は学術的には、面白い話題なのですが※、それよりも日常世界に生きる、ビジネスに生きる私たちにとっては、実験で示された私たちの利き腕に対する選好は、現実世界にどれほど当てはまるのか?ということです。

 

現実世界において同様の実験がなされていないので、以下の話は推論にすぎませんが、私たちが何かを選択するとき、先の実験(Casasanto,2009)の例になぞれば、私たちが商品を選択したり、人を採用しようとするときは、当然様々な要素を考慮しています。しかし、もし、残った商品が2つ、もしくは残った候補者が2人で、両者が様々な観点から比較して同じレベルだとしたらどうでしょうか?この実験から推論するに、私たちは、無意識に利き腕の方にあるモノ・ヒトを選択しているのかも知れません

 

おまけ1

興味深いことに、先の実験(Casasanto,2009)において上下に対する選好は、個々人の利き腕に左右されず、上=良い、下=悪い、と関連づける傾向が見出されました。

 

おまけ2

私は趣味でTOEICの勉強をしたり、試験を受けたり、問題の作成過程に興味を馳せているのですが、TOEICの問題作成過程には心理学者が参画していると聞いたことがあります。かつてこのことを耳にしたとき、「なぜ心理学者が?」とか思っていました。心理学者は人間の無意識の選択に関する理論をフル動員し、学習者が問題を2択に絞ったとき、右利きが多いと言うことを前提にして、わざと右側にある選択肢を不正解とかにしていたり(※TOEICマークシートは横に選択肢が並んでいます)、もしくは、わざと上にくる選択肢を不正解にしていたら(※おまけ1参照&TOEICの問題冊子の選択肢は縦に並んでいます)、面白い、を超えて、そこまで考慮していたら偉大なテストだなと感じます。

 

おまけ3

私たちの無意識の行動選択に興味のある方はぜひ以下の書籍を参考下さい。私たちが意図せずしてやってしまう行動特性について科学的観点から秀逸にまとめられています。読後は世界の見方が変わると思います。オススメです!

 

しらずしらず――あなたの9割を支配する「無意識」を科学する

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清水建二

※遺伝子を原因とする説や単純に社会に右利きが多いからだとする説などがあります。

参考文献

Casasanto, D. (2009). Embodiment of abstract concepts: Good and bad in right- and left-handers. Journal of Experimental Psychology: General, 138(3), 351–367.