微表情

フラッシュのように一瞬で表れては消え去る微妙な表情、微表情。このブログでは、微表情、表情、顔を始めとした非言語コミュニケーションの研究や実例から「空気を読む」を科学します、「空気」に色をつけていきます。

東洋経済オンラインアワード2022にてニューウェーブ賞授与

 

こんにちは。

株式会社空気を読むを科学する研究所の清水建二です。

2022年12月5日(月)に東洋経済オンラインアワード2022が開催され、

授賞式に出席してきました。

 

ニューウェーブ賞、ソーシャルインパクト賞、クリエイティブ賞、

モビリティ賞、ロングランヒット賞、MVPとある中で、私、清水は、

もったいなくも、ニューウェーブ賞を頂くことが出来ました。

 

担当編集の藤尾さんと記念撮影

賞状、賞金、花束、その他沢山のお土産を頂きました

常日頃からの皆さまのご支援のお陰です。

本当にありがとうございます。

 

東洋経済オンライン執筆陣は、200-300名いらっしゃるそうで、

そんな中、私が執筆している記事が選ばれたと知り、大変嬉しく思っております。

 

私は、2014年に会社を設立して以降、本ブログからスタートし、

DODAキャリアコンパス、SPA!、FRAGRANCE JOURNAL、月刊BAN等々

での単発の記事、ハーバービジネスオンラインや「健」、まぐまぐ!での連載、

『微表情を見抜く技術』『「顔」と「しぐさ」で相手を見抜く』『表情のつくり方』

『裏切り者は顔に出る』の単著、その他共著1冊と、様々な媒体で原稿を

書き続けて来ました。

 

今年、東洋経済新報社様からお話を頂き、

6月から東洋経済オンラインにて連載がスタートしました。

 

8年原稿を書いてきて、賞を頂いたのは今回が初です。

自分の原稿に価値を見出して頂き、大変嬉しく思います。

 

頂いた賞の名に恥じぬように、これからも社会の役に立つ、

社会とまで言えなくても誰かの役に立つ原稿を執筆したいと強く思っています。

 

授賞式の後は、こんな素敵なツリーのあるホテルで食事をご馳走になりました

ホテルレストラン入口付近から見える夜景

 

東洋経済オンラインでの連載は、まだまだ続きます。

これからも、是非是非、楽しみにしていて下さい。

 

最新の記事はこちら

https://toyokeizai.net/articles/-/637118

 

 

清水建二

2022年9月27日(JBpress)西村金一氏執筆による「プーチンの表情に明らかな変化、敗北の不安くっきりと-ウクライナ侵攻前から現在までの写真を徹底分析」に思うこと


 2022年9月27日、JBpressにて「プーチンの表情に明らかな変化、敗北の不安くっきりと-ウクライナ侵攻前から現在までの写真を徹底分析」と題する記事が掲載されました。執筆者は、長らく防衛省に勤務し、退職後の現在は、軍事アナリストとして活動する西村金一氏です。

 

興味深い記事でしたので、備忘録として思うことを書きたいと思います。

 

西村氏の記事はこちらです。

jbpress.ismedia.jp

 

 西村氏は、ロシアがウクライナに侵攻する前、侵攻直前、侵攻を続けている時期、9月の上海協力機構会議の発表と習近平と再び会談したとき、そして、その後と、プーチン大統領の表情を時系列に並べ、見比べています。

 

 詳しくは氏の記事を読んで頂きたいのですが、概要としては、戦況の行き詰まりに伴い、プーチン大統領の表情に不安や苦悩が表れる、というものです。そして、敗北が続けば、プーチン大統領の表情は、さらに暗くなり、失脚を恐れ、核兵器を使用することに警戒が必要だ、としています。

 

 氏の分析視点は、表情が気分の反映として表れる、というものだと思います。陰鬱な気分のとき、私たちは、その気分が続く限り、日常的に陰鬱な表情を浮かべる。何だか暗い。表情に動きがない。こんなイメージです。したがって、人間の表情を時系列的に見れば、気分の変遷がわかる。

 

 特定の気分がベースとなり、どんなときも、その気分が表情に影響を及ぼすことはあり得ると思います。こうした意味で、氏の分析は興味深いと思います。一方、ある気分がベースとなっていたとしても、会話の相手や会話の内容によって抱かれる感情は異なり得、投げかけられた質問や自己が発するメッセージという刺激によって反応としての表情は敏感に変化します。そこで私が重視する分析視点は、類似した内容を話しているときの表情を比べる、というものです。

 

 私が、プーチン大統領の表情分析をするならば、次のようにします(なお、本日は、分析視点の話なので分析内容については詳述しません。どこかの機会で話すことができれば)。

 

 ウクライナ進行直後の時点(2022年2月27日)とロシアにとって戦況が厳しくなってきた時点(2022年9月21日)の両時点において、プーチン大統領は、西洋諸国やNATOがロシアに敵対的であること、核兵器使用の可能性があること、を共通して語っています。

 

両時点を感情認識AIで分析してみました。分析結果は、次の通りです。

 

2022年2月27日のプーチン大統領。西洋諸国やNATOがロシアに敵対的であるため、ロシア軍の抑止力を特別戦闘態勢にするとし、核兵器の使用を示唆。

 

2022年9月21日のプーチン大統領。ロシア本土などの安全が脅かされた場合は、全武器の使用も辞さないとし、核兵器の使用を示唆。

※本分析は、株式会社シーエーシーによって開発された心sensorを用いて分析しました。心sensorとは、動画に映る人物の表情を分析し、感情を推測するためのアプリケーションです。詳しくは、https://affectiva.jp/service/sensor.htmlを参照して下さい。


 感情・表情変化の波形(プーチン大統領の画像の下のグラフ)が心電図のように表れているのがわかります。山の高さが大きいほど、その感情が表情に明瞭に強く表れていることを意味しています。山の幅が大きいほど、その感情が表情に長く表れていることを意味しています。

 

 前者に比べ、後者の表情は、起伏が激しく、慌ただしく変化し、表情の種類も豊富であることがわかります。同じ内容を話していても、表情が異なるということは、内容・言葉に込められた気持ちが異なっているということ。心理分析の詳細は、ここでは省略しますが、9月時点のプーチン大統領の心理が不安定になっている、ということが推測できるのです。

 


清水建二

2022年10月29日(土)13:00 - 17:00開講「清水ゼミ」に関するお知らせ

 

2022年10月期の清水ゼミに関するお知らせです。

2022年10月29日(土)より開講します。

今期、参加者の皆さまと学ぶ内容は、次の通りです。

 

Lesson1 美味しい表情を科学する
内容:私たちが美味しいと感じるとき、どんな表情をするでしょうか。2022年に日本の研究者らによって美味しさと表情の関係が明らかとされました。どんな表情なのでしょうか。

 

Lesson2 情動伝染のメカニズム
内容:感情は、人から人へどのようなメカニズムを通じて伝染するのでしょうか。一方、感情が伝染しないこともあります。この違いは何なのでしょうか。

 

Lesson3 Matsumoto博士による行動科学講座
内容: David Matsumoto博士の行動科学講座(2022年9月29日Humintell主催で開催予定のウェビナー講座)を受講生の皆さまと視聴します。講座では、人の感情、認知、精神状態、ウソなどがどのような行動として現れ、どう検知し、どう活用するかについてMatsumoto博士から学びます。

 

※Matsumoto博士による行動科学講座の詳細は、以下のリンクを参照して下さい。

https://www.humintell.com/product/live-webinar-behavioral-indicators/ 

※Lesson3で視聴する講座動画は、皆さまにお送りしますので、ゼミ後も一定期間繰り返し視聴して頂くことが出来ます。

 

Lesson4 ハイステイク状況におけるウソと表情漏洩
内容:得るものと失うものが大きいハイステイク状況のウソには、ローステイク状況のウソに比べ、様々なウソのサインが現れることがわかっています。ハイステイク状況におけるウソにおいて、どのような表情が漏洩するでしょうか。

 

Lesson5 子どものウソと表情
内容:大人は子どものウソを見抜くことが出来るか?「簡単!」という声が巷において多々、聞かれますが、実は簡単ではありません。子どものウソを正しく見抜ける精度は、チャンスレベルだということが科学実験からわかっています。しかし、ある質問に対する表情反応を観察することで、精度を上げられる可能性があります。どんな質問と表情反応でしょうか。

 

Lesson6 第一部:フェイシャル・フィードバック再考  第二部:発表会
内容:第一部では、フェイシャル・フィードバックについて再考します。フェイシャル・フィードバックが起こるには、ある条件が必要です。どんな条件でしょうか?論文の知見から学びます。第二部では、受講生の皆さまに今期の学びを生かした個人発表をして頂きます。

 

毎回関連論文を読み、理論の理解を深め、
動画等を用いた表情分析をし、実践力を高めます。
積極的なご参加お待ちしております。

 

清水ゼミに関する詳細・お申込みは次のURLよりお願いします。

https://peatix.com/event/3349228/view

 


清水建二

万引きGメン登壇第3弾!!2022年9月16日(金)19:00-20:30開催<録画配信あり>「表情観察公開セミナー―暴力と闘う子どもたちへ―万引き保安員×表情分析」


清水建二です。
空気を読むを科学する研究所主催のセミナーの紹介です。

 

今月は、5月、7月に引き続き、
万引きGメンによる表情観察・分析セミナー第3弾です。
2022年9月16日(金)19:00-20:30開催です。
録画放送もありますので、当日ご都合悪い方も後日視聴して頂くことが出来ます。

 

5月のセミナーは、万引き現場で遭遇する子どものウソがテーマでした。
7月のセミナーは、子どものウソから垣間見える子どもの心がテーマでした。
今回のセミナーでは、万引きの裏にある暴力がテーマです。

 

万引き、カテゴライズすれば、一つの犯罪類型です。
しかし、なぜ万引きが起きたのでしょうか?
万引きが起きた背景は多岐にわたります。
万引きをしてしまった人の心に寄り添うことで、
根本的な原因が見えてくる。解決策が見えてくる。

 

今回のセミナーでは、暴力・子ども・万引きをキーワードに、
表情分析スキルを持つ現役の私服保安員に語って頂きます。
万引きの背景にはどんな暴力が、暴力の様態はどのような表情となって表れるのか。

 

詳細・お申し込みは次のURLよりお願いします。

https://peatix.com/event/3332982/view

 

 

清水建二

2022年9月3日(土)13:00開講<録画配信あり>「Facial Action Coding System12時間速習コース」

 

 表情分析の国際基準と言えるFACS(ファクス:Facial Action Coding System:顔面動作符号化システム)及び活用法を12時間で速習するコースを開講します。

 

 これまで弊社のコースや研修から輩出されたFACSコーダー(FACSの試験に合格し、認定FACSコーダーとみなされた者)は、80名です。日本国内のFACSコーダーが推定100名と考えられますので、この数字は誇るべきものだと思います。

 

 この80名の方は、大学教授、研究者、公務員、探偵、経営者、講師業、警備業、営業職、採用職、AI開発に携わる方々等、バラエティーに富み、それぞれの分野で活躍されています。例えば、「清水ゼミ」というFACS合格者のための継続的な学びの場(弊社開設のコース)、日常ビジネスにおける実践・応用の場、学術研究の場等で、継続的に分析スキルに磨きをかけ、知見の再現や、新たな知見を生み出しています。

 

 このブログを読まれている方へ。認定FACSコーダーになりましょう。そして、様々な背景を持つFACSコーダーのメンバーの一員となり、表情・感情世界の彩りに、あなたの色を加えて下さい。

 

「ちょっと、挑戦してみようかな」と思われた方は、是非、次のURLより詳細をご覧ください。

https://peatix.com/event/3325780/view

 

 FACSを専門的に学ぶ公開コースとしては、数年振りの開講となります。是非、この機会にご受講頂ければと思います。

 

 

清水建二

2022年8月19日(金)19:00-20:30開催<録画配信あり>「営業・商談・交渉に活かす!ボディーランゲージ解読セミナー【ビジネスコミュニケーション編】」

 2022年8月19日(金)、「営業・商談・交渉に活かす!ボディーランゲージ解読セミナー【ビジネスコミュニケーション編】」を開催させて頂きます。

 

 開催時間は、19:00-20:30です。会場は、Zoomです。また、録画配信もございますので、当日のご都合がつかない方でも、受講して頂くことが出来ます。

 

 セミナーでは、ボディーランゲージの知識だけでなく、動画や画像を豊富に使い、実践的なトレーニングを積んで頂けるコンテンツを提供します。

 

 例えば、次の画像を見て下さい。就職に関して交渉中の二人です。男性が女性から何らかの譲歩を引き出せないかと2つのオプションを天秤にかけ、交渉しています。譲歩を引き出せるでしょうか?あるいは、全く交渉の余地は残されていないでしょうか?

 


 もう一つ。男性が女性にある商品についてプレゼンしています。女性の関心度はどの程度でしょうか。

 

 

 さらにもう一つ。売買交渉中の二人。女性側が売り手、男性側が買い手です。女性の提案に男性が「申し訳ないのですが、相見積で決めたいと思っています」と答えます。男性は、どこまで強い代替案を持っているでしょうか?

 

 

 3つの問題とも、全てボディーランゲージにヒントが隠されています。答えを知りたいですか?8月19日のセミナーにて、解答・解説をさせて頂きます。

 

 書店の心理学やコミュニケーションコーナーには、ボディーランゲージ関連の書籍が散見されます。それらの本に書いてあること、特に翻訳本の場合、本当に日本人も使える内容でしょうか?日本人によって書かれた本でも、翻訳本の焼き増しが目立ちます。一方、学者によって書かれた本は、正確かつ適応範囲が明確です。しかし、難しい。また、現実のコミュニケーション場面が想像できない、想定されていない場合が多々あります。

 

 そこで本セミナーでは、万国共通のボディーランゲージに焦点を当て、日常・ビジネスコミュニケーション場面にどう活かしていけばよいか考えます。豊富な画像と動画を通じて、ボディーランゲージがどのように表れ、どう読み解き、どうアプローチすればよいのか、実践的に学んで頂きます。

 

※本セミナーでは、表情(多少触れますが)ではなく、主に、首・胴体・手・足の動きについて学んで頂きます。表情について詳しく学びたい方は、弊社主催の他のセミナーにご参加下さい。

 

セミナーの詳細・お申し込みは次のURLよりお願いします。

https://peatix.com/event/3301185/view

 

皆さまとオンラインでお会い出来ますことを楽しみにしております。

 


清水建二

安倍元首相暗殺事件の容疑者の表情・動作に関する備忘録


2022年7月8日、安倍晋三・元首相が
奈良県で街頭演説中に銃で撃たれ死亡しました。
殺人未遂容疑で現行犯逮捕された山上徹也容疑者(41)の
襲撃直前の表情・動作について備忘録を記しておきたいと思います。

 

オープンソースから得られる事件動画を観る限りでは、
山上容疑者の表情に、いわゆる、危険表情は観察出来ませんでした。

 

危険表情とは、殺人・暗殺・テロ・暴力行為を行う意図のある表情のことを言います。
防犯カメラに記録されている暴力行為をした人物の表情データと暴力行為を体験した
警察官や犯罪被害者の目撃証言から推定された表情です。

 

具体的に、危険表情は、2種類あると考えられています。

 

一つは、「攻撃を目論んでいる顔」と呼ばれています。
「眉が中央に寄りながら引き下げられる+上まぶたが引き上げられる

+下まぶたに力が入れられる+唇が上下からプレスされる+口角が引き下げられる

+下唇が引き上げられる」という表情です。

 

この表情が表れている人は、

・誰かを攻撃する計画を練っている
・攻撃のタイミングを見計らっている
・攻撃目標が現れるのを待っている
・攻撃目標が気を抜くのを待っている

 

こうした意図を持っていると考えられています。暴力を振るう直前の人物や
爆弾を仕掛けようとしていたテロリストの顔、重火器を持って学校を襲撃する
数時間前の犯人の顔などにこの表情が生じていたことが観察されています。

 

もう一つは、「理性を失った顔」と呼ばれています。
「眉が中央に寄りながら引き下げられる+上まぶたが引き上げられる

+下まぶたに力が入れられる+口が開かれる+アゴに力が入れられる」

という表情です。

 

この表情が表れている人は、

・理性を失った瞬間
・攻撃を仕掛ける瞬間

 

こうした意図を持っていると考えられています。

 

マスクをしているため、口元はわかりませんが、
山上容疑者の目元に危険表情は確認できませんでした。
なぜ危険表情が確認できなかったのでしょうか。

 

①本当は危険表情をしていたが、動画には記録されていない

(撮影されていないところで危険表情をしていた、あるいは、

映像が荒く確認できないだけ)
②危険表情を隠すのが上手く、微表情にさえ、表れなかった
③マスクの下に危険表情が表れていた
④憎悪や殺意はなかった

⑤研究で判明している以外の危険表情をしていた

 

といくつか考えることが出来ます。

 

ただ、②の可能性は低いように思えます。
理由は次の通りです。

 

公開されている動画から、挨拶時の安倍元首相の後ろ、

道路を隔て立っている山上容疑者が確認できます。
このとき、肘を外に突き出す形で腰に手を置き、首を左右にしきりに動かしています。

 

肘を外に突き出す形で腰に手を置く姿勢は、アームアキンボーです。
自分の面積を広くとる姿勢であるため、目立ちます。

また、他人と距離を置き、ときに、人に威圧感を与えます。

首を左右にしきりに動かすのは、情報収集だと思われます。
安倍元首相に近づくタイミングを計るために、

車の往来や警護者の動向の確認していたのだと思われます。

 

映像を観る限り、これらの姿勢及び動きは、

まま大きく、山上容疑者にとっては、下手をしたら、

挙動不審で職務質問を受ける恐れがあったと考えられます。
自身の意図を隠すのが上手ければ、アームアキンボーなどせず、また、
首を動かすことなく、目だけで周囲の情報収集をすることが可能です。
ゆえに②はなく、①③④⑤の可能性を考えています。

 

なお、送検される山上容疑者の表情や動作に、
恥や羞恥が観られないところから自身の行為を、

目下、正当化できている、あるいは、何も感じていないと思われます。

 

さらなる情報が入り次第、分析・考察を深めたいと思います。

 

安倍晋三元首相のご冥福を心よりお祈りいたします。

 


参考文献:Matsumoto, D., & Hwang, H. C. (2014). Facial signs of imminent aggression. Journal of Threat Assessment and Management, 1(2), 118 128. https://doi.org/10.1037/tam0000007

 

清水建二