表情分析や微表情検知を学びたい方から、「表情分析の資格はありますか?」「どの資格を取ればよいですか?」と質問を受けることがあります。表情分析に関わる資格やトレーニングはいくつかありますが、それぞれ目的や内容が異なります。ここでは、表情や微表情の検知・分析に関心のある方に向けて、代表的な学習ルートを紹介します。
顔面筋の動きを精緻に分析したい
まず、表情を最も客観的・専門的に分析したい方には、FACS(ファクス)の学習が有力な選択肢です。FACSとは、Facial Action Coding Systemの略で、日本語では顔面動作符号化システムなどと訳されます。表情を「怒り」「悲しみ」「喜び」といった感情名で見るのではなく、眉、まぶた、鼻、口などの筋肉の動きを、アクションユニット(略:AU)として記録する方法です。研究、映像分析、感情認識AIの評価、演技やアニメーションの表情設計など、顔の動きを精密に分析したい方に向いています。FACS認定は、表情を筋肉運動として客観的に観察・符号化する技能を示すものと考えるとよいでしょう。試験に合格すると、認定FACSコーダを名乗れるようになります(たとえば、学術論文等に分析者として記載されるとき、記名がA Trained FACS CoderーFACSを学んだ者ーなのか、A Certified FACS CoderーFACSを学び認定試験に受かった者ーなのかは、分析の信頼度や妥当性において大きく異なる評価を受けます)。
FACSを学びたい方は、是非、弊社のコースをご検討ください(6月13日開講、アーカイブあり)。
https://peatix.com/event/5008052/view
微表情をリアルタイムで検知するスキルを獲得したい
次に、微表情や感情表出の読み取りを学びたい方には、ポール・エクマン博士に関連するトレーニングがあります。エクマン博士は、基本感情や微表情研究で知られる心理学者です。エクマン系のトレーニングでは、短時間で現れる表情変化を見分ける力や、感情と表情の関係を学ぶことができます。微表情検知を中心に学びたい方、表情から感情の手がかりを読み取る訓練をしたい方に適しています。トレーニング後のポストテストで一定のレベル(トレーニングの種類によります)をクリアすると、認定証が発行されます。
エクマンの微表情検知トレーニングについては、こちらを参照ください。
Humintellのトレーニングも、表情分析や微表情検知を学ぶ選択肢の一つです。Humintellは、感情表出、微表情、表情認識に関する教材やオンライン・トレーニングを提供しています。各種講義や実際の表情映像を用いた練習などもあり、微細な表情変化を識別する力を高められる点が特徴です(なお、Humitellの教材は、エクマン博士の弟子にあたるDavid Mastumoto博士が中心となり開発された最新のトレーニングです)。エクマンのトレーニング同様、英語教材に抵抗がなく、海外のトレーニングで表情・微表情検知を学びたい方に向いています。こちらもトレーニング後のポストテストで一定のレベル(トレーニングの種類によります)をクリアすると、認定証が発行されます。
Humintellの微表情検知トレーニングについては、こちらを参照ください。
弊社では、一部日本語で出来るHumintell社製のトレーニングを扱っています(現在、受注販売のみの提供)。
文脈の中にある微表情を読み、アプローチ法まで考えたい
日本語で、表情分析や微表情検知を実務に活かしたい方には、私、監修の交渉協会提供、表情分析プラクティショナー資格も選択肢になります。表情や微表情を観察し、相手の感情変化を読み取るための実践的なトレーニングとして位置づけられます。FACSのように顔面動作を細かく符号化するというより、表情変化を検知し、営業・商談、接客、採用、組織マネジメント等の対人場面で活用することを目的とする方に向いています。講義受講後、認定テストを受験し、100点満点中80点で資格が発行されます(なお、弊社主催4月or9月開講の「表情・しぐさ分析総合コース」とPPA Academy提供「清水建二の微表情学」も同様の学習目的で開催・開講しておりますが、資格は発行しておりません)。
交渉協会提供の「表情分析プラクティショナー養成オンデマンドコース」については、こちらを参照ください。
講師の専門性を見定め、安易なスキル・目的獲得を煽る資格・講座に注意する
まとめますと、精緻に顔面筋の動きを分析し、心理分析等の土台にしたいなら「FACS」、微表情を素早く検知するスキルを獲得したいなら「エクマン or Humitell社の微表情検知トレーニング」、表情・微表情変化を実務場面で活用する力を養いたいなら「表情分析プラクティショナー養成オンデマンドコース」ということになります。
もちろん、ここで紹介したもの以外にも、表情分析や微表情検知に関する資格・講座はあります。結論を言えば、表情分析の世界には、国家資格のように法律で定められた資格は存在しません。一方、FACSが代表的ですが、専門的な訓練を受けたことを示す民間資格や修了証、国際的に知られた認定制度は存在します。大切なのは、「資格があるかないか」だけで判断するのではなく、その資格が何を測り、どの程度の技能を保証しているのかを見極めることです。資格は勲章ではないのです。
表情分析の資格やトレーニングは、相手の心を決めつけるためのものではなく、表情という手がかりをより正確に観察するための学びです。目的に合った学習ルートを選ぶことで、表情・微表情を読み取る力は、より確かな技能として身についていきます。
最後に注意点を挙げるならば、「表情だけですべての本音がわかる」「嘘を確実に見抜ける」「売り上げが急増する」「悩みが即解決する」といった過度な宣伝には注意が必要です。資格名の印象だけで判断せず、何を学べるのか、実際の表情映像を使った訓練があるのか、講師の専門性は十分か、科学的知見に基づいているか、実務経験は伴っているか等を確認することが大切です。
弊社コース・研修に関するご相談は、下記メールアドレスまで遠慮なくお問い合わせ下さい。
弊社メールアドレス:info▲microexpressions.jp(▲を@に変えて下さい)
清水




