清水建二の微表情日記

空気を読むを科学する研究所代表の清水建二が、表情・微表情を起点にAI・オンライン時代の人間理解と対人コミュニケーションを科学的に考えるブログ

2026年下半期公開講座のお知らせーAI×微表情×EQと『VIVANT』

 

2026年下半期開催、公開講座のお知らせです。

11月に二つございます。

 

一つは、EQ学び会2026 Vol.10|チームづくりに活かす微表情~です。

「AIに聞くからいいです」と言われ、思われてしまう今日この頃。

AIに聞けば済むこととは何でしょうか?一方、AIに聞けないこととは何でしょうか?

チームづくりに活かす微表情をテーマにEQの専門家と考えます。

AI×微表情×EQにピンと来る方は是非。

 

主催の方が、素敵なブログを書いて下さっています。

isplus1.hatenablog.com

 

テーマ:EQ学び会2026 Vol.10|チームづくりに活かす微表情~

開催日時:11月16日(月)19:00~20:30

開催場所:Zoom

参加料:1,000円(税込)

主催:株式会社アイズプラス

申込・詳細:

peatix.com

 

 

もう一つは、第24回ネゴシエーション研究フォーラム

『VIVANT』監修者が語る ドラマで学ぶ「人の気持ち」の読み解き方と伝え方

―交渉に活かす表情コミュニケーション―です。

 

『VIVANT』『最後の鑑定人』『科捜研の女』などで

表情分析・虚偽検出の監修や演技指導を行ってきた清水建二が、

ドラマのシーンを題材に、「人の気持ち」を読み、伝えるためのポイントを解説します。

虚偽検出クイズ、ドラマの舞台裏、写真・映像を使った表情分析など、

楽しみながら学べる内容が満載。微表情と言葉を観察し、比べ、

相手の気持ちやニーズを推測する方法や、眉を活かした気持ちの伝え方も紹介します。

営業・商談・交渉・面談・面接など、「人を見る目」と「伝える力」をお教えします。

 

テーマ:第24回ネゴシエーション研究フォーラム

『VIVANT』監修者が語る ドラマで学ぶ「人の気持ち」の読み解き方と伝え方

―交渉に活かす表情コミュニケーション―

開催日時:2026年11月26日(木)19:00-20:00

開催場所:Zoom(後日、欠席者用配信あり)

参加料:3,000円(税込)

主催:特定非営利活動法人 日本交渉協会

申込・詳細:

nego.jp

 

皆さまのご参加をお待ちしております。

 

 

清水

 

書評:荒木シゲル『一瞬で人の心を操るマインド・ハック: この「表情」「しぐさ」には、誰も逆らえない!』三笠書房(2026)

 

荒木シゲル氏の新刊、『一瞬で人の心を操るマインド・ハック: この「表情」「しぐさ」には、誰も逆らえない!』を読みました。

 

本書では、表情・姿勢・しぐさから相手の気持ちを読み取り、同時に、それらを使って自分の気持ちを相手に伝える方法が解説されています。特徴的なのは、科学的知見だけでも、著者の経験談だけでもないことです。理論、実体験、図解、さらに著者自身によるデモ動画まで組み合わされ、「知る」だけでなく「やってみる」ところまで導いてくれます。

 

私が特に良いと感じた点は、次の3つです。

 

①「読む」と「伝える」を一冊で学べる

②科学と「身体を通過した知」が結びついている

③細かな技術と「大きく捉える視点」のバランスがよい

 

①「読む」と「伝える」を一冊で学べる

 

非言語コミュニケーションの本には、表情、姿勢、しぐさの一つに特化したものや、「相手を読む」「自分を伝える」のどちらかに重点を置いたものが多くあります。その点、本書は、表情・姿勢・しぐさを横断しながら、「読む」と「伝える」の両方を扱っています。これは実践上、とても重要だと思います。

 

例えば、表情を細かく読み取ることが苦手でも、姿勢や身体全体の動きから補えるかもしれません。逆に、自分の表情を意識的につくることが難しくても、姿勢やしぐさを変えることで、伝わり方を変えられるかもしれません。

 

非言語コミュニケーションを「部分」ではなく「全体」として学びたい方に適した一冊です。

 

②科学と「身体を通過した知」が結びついている

 

科学的根拠は大切です。しかし実用書である以上、「研究ではこうなっています」で終わらず、それを現実の場面でどう使うのかまで示されていることも重要です。本書では、非言語コミュニケーションに関する科学的知見が、荒木氏自身の経験や試行錯誤と結びつけて紹介されています。さらにデモ動画を見ることで、「なるほど、こういうふうに動くのか」「これなら自分でも試せそうだ」とイメージできます。

 

生成AIが膨大な知識を瞬時に教えてくれる時代、「本を読まなくても、その都度AIに聞けばよい」という考え方もあるでしょう。しかし、身体をどう動かすか、相手との距離をどう取るか、どの程度の動きなら自然に見えるか―こうしたことには、実際に身体を使い、試行錯誤してきた人だからこそ伝えられる知があります(AIが提示する情報やアドバイスは、ときに空想的です。思うにそれは、AIは身体を持たないため、身体を持つ私たちの物理的な制限を加味できない、あるいは、「説明だけではなく、やって見せて下さい」という想いを満たせないからでしょう)。

 

本書には、そんな「身体を通過した知」が詰まっています。

 

③細かな技術と「大きく捉える視点」のバランスがよい

 

身体動作を身につけるには、細かな説明が必要です。一方で、一つひとつの動きを意識し過ぎると、かえって不自然になってしまいます。本書では「ラバノテーション」という考え方を使い、場にふさわしい「キャラ」を演じる方法が紹介されています(p.99)。細部を完璧に再現できなくても、全体としてどのような人物・雰囲気を表現するのかを捉えることで、自然な表現につなげようという発想です。

 

観察についても同様です。例えば、ネガティブな感情では「体をこわばらせて消極的、閉鎖的な姿勢・動作」になりやすく、ポジティブな感情では「開放的、能動的な姿勢・動作」として表れやすい、といった大きな視点が示されています(p.254)。

 

細かなサインを覚えるだけではなく、「身体全体として何が起きているのか」を見る。この視点があることで、非言語コミュニケーションを初めて学ぶ方にも理解しやすくなっています。

 

身体を通じて、自分を見つめる、相手を見つめる

 

本書を読み終えた後、きっと人の姿勢や動きの見え方が変わり、同時に「自分は相手にどう見えているのだろう」と、自分自身の身体にも目が向くようになると思います。

 

表情やしぐさに興味はあるけれど、「専門的すぎる本は難しそう」「知識だけでなく実際に使える方法を知りたい」という方には、特に手に取っていただきたい一冊です。

 

 

清水建二

2026年10月24日(土)13:00開講「清水ゼミー様々な表情に触れようー」のご案内

 

2026年10月から、新しい「清水ゼミ」がスタートします。

今回のテーマは、「様々な表情に触れよう」です。

 

観察力、AI、ビジネス、演技、医療、嘘。

一見すると異なるこれらのテーマを、「表情」という共通の視点から考えます。

課題論文を読み、動画を分析し、ディスカッションやロールプレイングを行いながら、

半年間かけて表情分析の知識と実践力を磨いていきます。

 

FACSを取得した。その次に、何をする?

 

FACSを学ぶことで、顔の動きを細かく観察し、

記述するための「言語」を手に入れることができます。

しかし、FACSを取得することはゴールではありません。

 

その顔の動きをどう観察するのか。

何と比較するのか。

そこから何が言えて、何は言えないのか。

自分の仕事や専門分野にどう応用するのか。

 

こうした分析力は、FACSを取得した後、

継続的にトレーニングすることで磨かれていきます。

 

認定FACSコーダの方には、ぜひ本ゼミを、

「FACSを使える知識に変えていく次のトレーニングの場」

として活用して頂きたいと思っています。

 

なぜ、表情分析に「学術論文」が必要なのか?

 

表情や心理について学んでいると、

 

「○○先生がこう言っていた」

「セミナーでこう習った」

「本にこう書いてあった」

 

という情報に触れる機会がたくさんあります。

 

もちろん、そこから学べることもあります。

しかし、表情から人の心理を分析するのであれば、

「その話の根拠は何なのか?」

まで自分でたどれる力を身につけて欲しいと思っています。

学術論文は、誰かの解釈を経た情報ではなく、研究者が、

 

「どんな疑問を持ち」

「どんな方法で調べ」

「何がわかり」

「何がまだわからなかったのか」

 

を直接確認できる一次情報です。

論文を読むことで、単に知識を増やすだけでなく、

科学的な知見がどのように生み出されるのか

を知ることができます。

 

そして、この考え方は、

「自分がいま抱えている問題を、どう整理し、どう検証し、どう解決していけばよいのか」

を考える力にもつながります。

 

論文を読むことに、壁を感じなくて大丈夫です

 

「英語論文なんて読めない」

「統計がわからない」

「研究者ではないから難しそう」

 

そう感じる方もいるかも知れません。

ですが、本ゼミでは、論文を一字一句自力で訳すことを目的にはしていません。

ChatGPTなどの生成AIや翻訳ツールも、どんどん使って下さい。

大切なのは、英語を読むことそのものではありません。

論文を手がかりに、

 

「この研究は何を知ろうとしたのか?」

「この結果から、どこまで言えるのか?」

「自分の経験と一致するのか?」

「仕事や日常の問題にどう応用できるのか?」

 

と考えることです。

 

研究者だけではなく、公務員、会社員、対人支援職、

教育関係者など、様々な背景を持つ方が、それぞれの経験と科学知見を持ち寄る。

そんな大学の研究室とは異なる、リアルな学問実践の場を皆さんと作りたいと考えています。

 

2026年10月期は、この6テーマを扱います

 

1. 表情と観察力

 顔の一部が隠れると、私たちの観察や虚偽判断はどう変わるのか?

2. 表情とAI

 感情認識AI、生成AI、ディープフェイクと、私たちはどう付き合うべきか?

3. 表情とビジネス

 感情認識能力は、営業成績やマネジメントに影響するのか?

4. 表情と演技

 なぜ「本物らしく見える表情」と「演技に見える表情」があるのか?

5. 表情と医療

 心理療法による変化や快方の兆しを、表情から捉えることはできるのか?

6. 表情と嘘

 一つのサインではなく、「非言語行動の連なり」から嘘を考えるとはどういうことか?

 

課題論文だけでなく、動画分析、ディスカッション、ロールプレイング、

そして私が監修した『VIVANT』などのドラマ場面も題材にしながら、考察していきます。

 

2026年10月24日(土)から2027年3月27日(土)まで、

月1回・全6回、各4時間の連続講座です。

 

オンライン(Zoom)を中心に開催し、

Lesson3・Lesson6終了後には希望者による懇親会も予定しています。

半年間、同じメンバーで考え、分析し、議論するからこそできる学びがあります。

 

表情分析について、

「知っている」から「考えられる」へ。

そして、「分析できる」「応用できる」へ。

 

FACSを取得したその先の学びを、一緒に始めましょう。

 

詳細・お申込みはこちら↓

 

『VIVANT』第2シーズン表情解析監修者の語りージャミーンの悪人識別能力に思うこと

 

TBS日曜劇場『VIVANT』第17話(2026年9月6日放送)に、

ジャミーンが人物の写真から「善悪」を区別するシーンが描かれています。

彼女は、人間の「善悪」を感覚的に見抜けるサヴァン症候群という設定です。

 

ジャミーン役の本間さえさんが「悪人」を見たとき、

その程度に応じて嫌悪の表情を浮かべる演技がなかなか素敵です。

ちなみに、このシーン、私は監修しておりませんが。

 

それはさておき、人の「善悪」は顔や表情からわかるのか。

こんな研究を思い出しました。

 

微表情から悪意を検知する

 

模擬犯罪を実行する前の実験参加者の微表情から

悪意を読み取れるか否か検証したMatsumoto & Hwang(2018)の実験です。

 

実験の結果、犯罪を企図して(実行前)嘘をつく参加者では、

真実を話す参加者より0.4~0.5秒以下のネガティブ表情が多く見られ、

こうした表情の有無から、0.4秒以下では63.2%、

0.5秒以下では68.4%の割合で両者を正しく分類でき、

1秒以下の表情まで含めると正分類率は77.6%まで上昇することがわかっています。

 

しかし、ジャミーンが見ていたのは、

一瞬の表情変化ではありません。

「真顔の写真」です。

 

AIが分類した犯罪歴のある顔とない顔

 

真顔から犯罪者か否かを区別しようとした

研究として思い出されるのが、Wu & Zhang(2016)の研究です。

 

研究者らは、中国人男性1,856名の顔写真をAIに学習させ、

犯罪歴のある人物とない人物を分類させました。

CNNと呼ばれる手法を用い、およそ9割という高い分類成績が報告されています。

 

興味深いのが、両群の顔の「ばらつき」です。

研究者らは、犯罪者群の顔は非犯罪者群よりも個人間のばらつきが大きく、

非犯罪者群の方が互いに似た顔貌をしていると報告しました。

 

この結果を見ると、いくつもの仮説が頭に浮かびます。

 

犯罪や、それに至るまでの生活経験、ストレスなどが

長い年月をかけて顔貌に何らかの影響を与えたのでしょうか。

 

反対に、平均的な顔貌から離れた特徴を持つ人が、

周囲から異なる扱いを受けたり、生きづらさを経験したりすることで、

その後の人生経路に影響が生じる可能性はあるのでしょうか。

 

あるいは、もっと単純に、犯罪者群と非犯罪者群の選ばれ方や社会経済的背景、

写真の条件など、顔とは別の要因がこの違いを生み出しただけなのかもしれません。

 

もちろん、Wu & Zhangの研究だけから、この問いに答えることはできません。

彼ら自身も、その後の批判に対する回答の中で、この研究は相関から因果関係を

論じたものではないこと、また社会経済的地位を統制できていなかったことを認めています。

 

人間が顔から読み取れること

 

人間が顔から「信頼できそうか」を判断する研究を見ても、話はそう単純ではありません。

 

Ruleら(2013)は、企業犯罪者と一般企業の幹部、

軍犯罪者と軍の英雄の顔を比較しましたが、

「信頼できそう」という評価に明確な差は見いだせませんでした。

 

さらにFooら(2022)のメタ分析では、

顔から判断した「信頼できそう」という印象と、

その人物の実際の信頼性との間には、

統計的には有意ながらも小さな関連しかないことが示されています。

 

つまり、私たちは顔を見れば、「この人は善人そう」「何となく怖そう」と感じます。

しかし、そう感じることと、本当にその人が善人・悪人であることは別問題のようです。

 

悪人だから「悪人顔」になるのか。

「悪人顔」に見えることで、その人の人生が変わるのか。

それとも「悪人顔」というものは存在せず、

見る側である私たちの判断が作り出しているだけなのか。

 

ジャミーンは一枚の写真から「善悪」を見抜きます。

現実の私たちは、ジャミーンほど簡単にはいきません。

だからこそ、顔や表情を「答え」として見るのではなく、

その人についてもう少し知るための「手がかり」として見る。

 

『VIVANT』のジャミーンを見ながら、そんなことを考えていました。

 

追伸:

17話では、ディープフェイク技術を用いた人物偽装も描かれていましたね。

表情研究・実務者として興味深い描写が満載でした。

 

 

参考文献:

Matsumoto, D., & Hwang, H. C. (2018). Microexpressions differentiate truths from lies about future malicious intent. Frontiers in Psychology, 9, 2545. https://doi.org/10.3389/fpsyg.2018.02545 

Wu, X., & Zhang, X. (2016). Automated inference on criminality using face images. arXiv:1611.04135. 

Rule, N. O., Krendl, A. C., Ivcevic, Z., & Ambady, N. (2013). Accuracy and consensus in judgments of trustworthiness from faces: Behavioral and neural correlates. Journal of Personality and Social Psychology, 104(3), 409–426. https://doi.org/10.1037/a0031050 

Foo, Y. Z., Sutherland, C. A. M., Burton, N. S., Nakagawa, S., & Rhodes, G. (2022). Accuracy in facial trustworthiness impressions: Kernel of truth or modern physiognomy? A meta-analysis. Personality and Social Psychology Bulletin, 48(11), 1580–1596. https://doi.org/10.1177/01461672211048110 

『VIVANT』第2シーズン表情解析監修者の語りー「必ず生きて戻れ」というセリフから思い出されたある言葉

 

TBS日曜劇場『VIVANT』第17話

(2026年9月6日放送)に、印象に残るシーンがありました。

 

中国の諜報組織「シンシー」に捕らえられた5名の別班員。

別班司令は、彼らの奪還を断念し、組織の秘密を守るために毒殺するという決定を下します。

乃木は、国益を最優先する別班の一員としてその決定に従います。

しかし、仲間を見捨てることへの葛藤を抑えることはできません。

そんな乃木を、同じ別班員でもある丸菱商事の長野専務が一喝します。

 

「ふざけるな!」

 

その言葉をきっかけに、乃木は仲間たちとともに、

命令に背いてでも5人を救出することを決意します。

 

そして、出発しようとする乃木に、長野専務は目に涙を浮かべながら言います。

 

「必ず生きて戻れ」

 

乃木も目に涙を溜め、一歩下がって深く礼をする。

 

私はこの場面を見ながら、ふと一人の人物のことを思い出しました。

 

私の曾祖父、三田清四郎です。

曾祖父は職業軍人でした。

もちろん、曾祖父が軍の命令に背いた、という話ではありません。

 

ただ、第二次世界大戦当時、軍の中に広がっていたであろう

「死ぬこと」に価値を置く考え方に、必ずしも同調していなかったのではないか。

そう思わせるエピソードを、私は偶然知ったことがあります。

 

詳しくは、以前のブログに書きました。

blog.microexpressions.jp

 

曾祖父が、戦地へ向かう部下にかけたという言葉です。

 

「戦地に行っても死ぬばかりが国のためじゃない。生きて帰ってきて日本のために働け」

 

初めてこの言葉を知ったとき、私は少し驚きました。

戦時中の職業軍人の言葉として、私が漠然と思い描いていたものとは違っていたからです。

もちろん、一つの言葉だけから、曾祖父がどのような思想を持っていたのかを断定することはできません。

 

けれども少なくとも、「死ぬこと」そのものを美徳として

部下に求めていたわけではなかったのでしょう。

 

生きて帰る。

そして、その後も自分にできることをする。

 

そこに価値を置いていた人だったのかもしれません。

 

『VIVANT』の長野専務が乃木に言った、

「必ず生きて戻れ」

という言葉と、曾祖父の

「生きて帰ってきて日本のために働け」

という言葉。

 

もちろん、時代も状況も、背負っているものもまったく違います。

一方はフィクションの中の言葉であり、一方は戦時中に実際に語られたとされる言葉です。

それでも私には、どこか通じるものがあるように感じられました。

 

組織には、組織の論理があります。

国家には、国家の論理があります。

そして、ときに個人は、その大きな論理の中で自分自身の判断を迫られます。

 

何を守るのか。

何のために行動するのか。

そして、人の命をどのように考えるのか。

 

『VIVANT』第17話のこの場面を見ながら、

私はドラマの物語を追っていただけではなく、会ったことのない曾祖父が、

遠い昔に部下へ語った言葉を思い出していました。

 

人の言葉というものは不思議です。

そのとき、その場所にいた人だけに届いて終わることもあれば、

何十年もの時間を越えて、別の誰かの心に残ることもあります。

 

「必ず生きて戻れ」

 

短い言葉です。

しかし、その一言の中には、

「任務を果たせ」だけではないものがあります。

 

生きていてほしい。

帰ってきてほしい。

その先の人生を生きてほしい。

 

そんな、命令とは異なる、

人から人への願いが込められているように思います。

 

表情を研究している私は、つい人の顔に現れるものに目を向けます。

けれども、表情が胸を打つのは、その奥にこうした言葉にならない思いがあるからなのでしょう。

 

長野専務と乃木が涙を溜めて交わした「必ず生きて戻れ」という言葉。

 

私にとっては、『VIVANT』という物語の中の一場面であると同時に、

80年以上前を生きた曾祖父の言葉へとつながる、不思議な一場面となりました。

 

セミナータイトル新メニュー公開:『VIVANT』監修者が語る「人の気持ち」の読み解き方と伝え方ー表情・しぐさ・嘘の科学から学ぶ非言語コミュニケーションー

 

空気を読むを科学する研究所を設立して12年。

科学実験や研究知見の実務転用を講演・講義・研修・コンサル等

を通じて行ってきました。

 

一方、「表情・微表情を読む」や「嘘を見抜く」という分野は、

様々なメディアで注目して頂き、ドラマ監修、バラエティー番組出演、

ニュース・ラジオ・雑誌上での著名人心理分析等々、

様々な形で関わらせて頂きました。

 

一例を挙げますと、

ドラマ監修では、『科捜研の女』『最後の鑑定人』『VIVANT』、

バラエティー番組では、『チコちゃんに叱られる』『ホンマでっか!?TV』

『マネーハンター』『偉人たちの健康診断』『この差って何ですか?』、

ニュース・ラジオ・雑誌上では、『みんなのニュース』『Mr.サンデー』

『羽鳥慎一 モーニングショー』『Abema Prime』『SPA!』

『ハーバービジネスオンライン』『東洋経済Online』

等々です。

 

清水が関わった番組を題材にしたエンタメセミナー

 

そこで、これまで清水が出演・監修・分析・演出等で関わった

ドラマやバラエティー・ニュース番組を題材に、科学の「リアル」と

メディアの「魅せ方」に基づく、表情コミュニケーション上達のポイントを

皆さまに共有するセミナーを作りました。

 

例えば、

「『VIVANT』のAIハヤトのように嘘を見抜けるか?」

「『最後の鑑定人』から学ぶ!相手の心を動かす表情」

「監修者に挑戦!この場面、どんな感情?どんなセリフを入れる?」

「『科捜研の女』で描かれた心の中の読み解き方」

「バラエティー番組でアイドルの本音を見抜いた表情分析法」等々

 

具体的なシーン、豊富な写真・動画を用いた解説・クイズを通じて、

表情・しぐさ・感情・嘘の科学をわかりやすく紹介し、周りに伝えたくなるTVの裏話や

すぐに使えるコミュニケーションのポイントをお伝えするセミナーです。

 

こんな内容です

 

プログラム例

1. 『VIVANT』のAIハヤトのように嘘を見抜けるか?

 ・『VIVANT』が描く虚偽検出のリアル(14話より)

 ・虚偽検出クイズに挑戦!

 ・ビジネス交渉で活用するー観察し、比べ、ニーズを推測するー

 ・【裏話】AIハヤトは実在するか?

 

2. 『最後の鑑定人』から学ぶ!相手の心を動かす表情

 ・『最後の鑑定人』で描かれた「何かを言いかけるような目」とは?(3話より)

 ・日常・ビジネスコミュニケーションで活用するー表情で相手の心を動かすー

 ・今すぐ使える眉コミュニケーションのススメ

 ・【裏話】放映時間5分、実際の撮影時間は?

 

3. 表情から心の中を読むということ

 ・『最後の鑑定人』監修に挑戦!この場面、どんな感情?(4話より)

 ・相手の好みを表情から推測しよう

 ・『科捜研の女』監修に挑戦!この場面、どんな感情?どんなセリフを入れる?(シーズン16 1話より)

 ・面談・面接で活用するー言葉と微表情の不一致から深掘りポイントを発見するー

 

4. バラエティー番組でアイドルの本音を見抜いた表情分析の戦略

 ・姿勢、しぐさから表情へー大きな変化から小さな変化ー

 ・『マネーハンター』でアイドルの本音を見抜いた表情分析の戦略

 ・【裏話】TV番組の「嘘を見抜く」実験で体験したこと

 

講演時間、参加者層、開催目的に応じてご相談ください

 

講演時間、参加者層、開催目的に応じて、

テレビ・ドラマ色を強くする、AI・未来の働き方を強くする、

管理職・営業・接客などビジネス応用を強くする、

表情・微表情の参加型クイズを増やす、等々、内容を調整いたします。

 

「面白いけど、科学的。」

 

講演を聴いた翌日から、

人の顔を見ることが面白くなる。相手の話を聞きたくなる。

テレビの舞台裏と科学、そして体験を通じて、

「人を読む・伝える」ことの面白さをお届けします。

 

講演依頼ドシドシお待ちしています。

 

清水

『VIVANT』の表情解析監修者が教える、「人を見る力」ー生成AI時代だからこそ学びたい表情・しぐさ分析

 

「この人、本当はどう思っているんだろう?」

仕事でも日常生活でも、そんなことを感じる瞬間はないでしょうか。

 

口では「大丈夫です」と言っている。

けれど、どこか表情が硬い。

「いいですね」と答えてくれた。

しかし、一瞬だけ何か引っかかるような反応をした。

 

私たちは普段、言葉だけを聞いてコミュニケーションしているわけではありません。

表情、視線、姿勢、身体の動き、声の調子。

こうした様々な情報を、意識的・無意識的に

受け取りながら相手とコミュニケーションしています。

では、こうした「人を見る力」は、学ぶことが出来るのでしょうか。

 

私は、出来ると考えています。

ただし、それは、「この表情だから、この人はこう思っている」

と単純に心を決めつける技術ではありません。

むしろ、その逆です。

表情から「心を当てる」のではなく、「変化に気づく」

私はこれまで、表情やしぐさ、微表情を研究・分析し、

企業研修、犯罪捜査協力、テレビ番組の監修などに携わってきました。

 

最近では、TBS系ドラマ『VIVANT』の表情解析監修も担当しました。

 

ドラマでは、限られた時間の中で「この人物はいま何を感じているのか」

「どのような反応ならリアリティーがあるのか」を、

科学的な知見と物語としての面白さの両方から考えます。

 

その経験を通じても改めて感じることがあります。

それは、人の心は、一つの表情だけではわからないということです。

 

例えば、腕を組んでいるから「拒絶している」。

視線をそらしたから「嘘をついている」。

笑顔だから「喜んでいる」。

そんなふうに単純に判断することは出来ません。

 

重要なのは、

「普段と比べて、何が変わったのか」

「どの話題のときに反応したのか」

「表情と発言は一致しているのか」

「その人が置かれている状況はどんなものか」

といった情報を組み合わせて考えることです。

 

つまり、表情・しぐさ分析とは、人の心を魔法のように読み当てる技術ではなく、

相手の変化に気づき、より適切にコミュニケーションするための観察技術

なのです。

「AIに聞くから大丈夫です」の時代に、人間に残るもの

そして、私はこの技術が、生成AI時代にますます重要になると考えています。

生成AIは便利です。わからないことを尋ねれば、瞬時に答えてくれる。

文章を作ってくれる。相談にも乗ってくれる。

場合によっては、人間より丁寧で、人間より共感的に感じることさえあります。

では、人間同士のコミュニケーションには、何が残るのでしょうか。

 

私は、その一つが、

目の前にいる人の反応を受け取り、自分の言動を調整すること

だと思います。

 

「この説明では伝わっていなさそうだ」

「さっきまで楽しそうだったのに、急に表情が変わった」

「本人は大丈夫と言っているけれど、本当にこのまま話を進めてよいだろうか」

 

そんな相手の変化に気づき、

 

説明の仕方を変える。質問する。少し待つ。

別の話題に切り替える。あるいは、あえて踏み込んで聞く。

 

人間同士のコミュニケーションとは、こうした微調整の連続です。

AIから正しい「答え」を得る能力が高まれば高まるほど、

答えのない人間を相手にする力の価値は、むしろ高まっていくのではないでしょうか。

表情を「読む」だけではありません。「つくる」ことも学びます

今回の「表情・しぐさ分析総合コース」では、

相手を観察することだけを学ぶわけではありません。もう一つ重要なのが、

 

自分自身がどのような表情や非言語メッセージを発しているのか

 

という視点です。

 

自分では普通に話しているつもりなのに、怖く見える。

熱心に説明しているつもりなのに、相手から見ると圧が強い。

真剣に聞いているつもりなのに、無関心に見えてしまう。

こうしたことは珍しくありません。

 

コミュニケーションは、「相手を読む」だけではなく、

「自分がどう伝わっているかを知る」こととセットです。

 

本コースでは、表情やしぐさについて科学的な知識を学ぶだけでなく、

実際の表情や動画などを用いながら、観察する → 考える → 表現する

という力を総合的に身につけて頂きます。

こんな方に受講して頂きたいと思っています

例えば、

・営業、商談、交渉など、人と向き合う仕事をされている方
・部下やメンバーとのコミュニケーションに関心のある管理職の方
・人事、採用、面接に携わる方
・教育、医療、福祉、カウンセリングなど対人援助職の方
・講師、コンサルタント、コーチなど人に働きかける仕事をされている方
・俳優、ナレーター、接客業など「表現」に関心のある方
・表情、微表情、非言語コミュニケーションを体系的に学びたい方

などに、特に役立てて頂けると思います。

 

もちろん、「表情分析を全く勉強したことがない」という方も対象です。

これまで弊社の講座には、全くの初心者の方から、大学教員、研究者、

各分野の専門家、講師業の方まで、様々なバックグラウンドの方に

ご参加頂いてきました。

 

必要なのは予備知識ではなく、

「人をもっとよく観察したい」

「人とのコミュニケーションをもっと深く理解したい」

という関心です。

『VIVANT』の世界から、日常のコミュニケーションへ

ドラマの中では、一瞬の表情が物語を動かすことがあります。

しかし、現実世界では、表情だけですべてがわかることなどありません。

だからこそ面白いのだと思います。

 

表情を見る。しぐさを見る。言葉を聞く。

その人の普段を知る。状況を考える。

 

そして、「もしかすると、こう感じているのかな」

と仮説を持ちながら、相手とコミュニケーションする。

 

表情分析を学ぶ本当の価値は、

「人の心が読めるようになること」

ではなく、「人をちゃんと見るようになること」なのかも知れません。

 

生成AIによって、知識を得ることも、文章を書くことも、

答えを探すことも、かつてないほど簡単になりました。

だからこそ私は、

 

目の前にいる人を見る力。
その人の反応を受け取る力。
そして、自分の想いを表現する力。

 

こうした、人間同士だからこそ必要となる能力を、

改めて学ぶ価値があると考えています。

 

2026年10月3日(土)より、

「【『VIVANT』表情解析監修者がお届けする】表情・しぐさ分析総合コース
―生成AIに代替されない非言語コミュニケーション力を身につける―」

を開講します。アーカイブ配信もございます。

 

表情・しぐさを科学的に学び、人を見る力、

そして人に伝える力を一緒に磨いてみませんか。

 

皆様と学べることを楽しみにしています。

 

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