外国の人、とりわけ欧米の方、と話していて、何か怖いな、と感じたことはありませんでしょうか?
別に議論の席とかではなく、海外旅行中のときの定員さんとの会話とかでです。
何か凄く真顔が気になるのですよね。
真顔で対応されていると何だか怒られている気にさえなってしまいます。
私たちとは笑顔の使い方もその認識の仕方も違うようです。
ある研究によれば、会話中、アメリカ人は周りの人や出来事に影響を与えようとする一方で、日本人は周りの人や出来事の流れに自分を合わせようとする傾向があるようです。それは、畢竟、アメリカ人の個人主義的な考え方と日本人の集団主義的な考え方に端を発していると考えられています。
そんな中、こんな推論がなされました。
日本人は、和の意識を保つために、お互いがお互いの表情をよく観察し、その変化に応じて自分の対応を調整している。例えば会話中、相手の顔から笑顔が消えたら、相手の期待に即していない流れを作ってしまったとすぐに反応し、期待に応えようとするのではないだろうか。そう考えるならば、日本人は笑顔が消える瞬間にアメリカ人より敏感に反応するのではないだろうか?
こんな問いが立てられ、実験がなされました。
実験の結果、確かに私たち日本人はアメリカ人に比べ、笑顔が消える瞬間に敏感に反応し、笑顔の消失にいち早く気付いている、ということがわかりました。
私が感じていた外国の方の真顔に対する違和感の答えは、こういうことに関連しているのだと思います。
清水建二
参考文献
Ishii, Miyamoto, Niedenthal, Mayama, (2011). When Your Smile Fades Away: Cultural Differences in Sensitivity to the Disappearance of Smiles, Social Psychological and Personality Science, September 1, 2: 516-522.