お医者さんがしっかりこちらの目を見て、こちらの言葉に注意を向けてくれると、それだけで安心出来ますよね。まぁ、中には、こちらの顔をほとんど見ないお医者さんもいたりしますが…。
さて、お医者さんにとって、患者さんの自覚症状に関する説明があいまいな場合、患者さんの表情が説明の助けとなるということが多々あるようです。そんなことから、医学生の微表情検知スキルを計測する実験がなされました。
実験では、
最初に、コミュニケーションスキルが高い医学生と低い医学生の微表情検知スキルが計測されます。
次に、それぞれの学生は微表情検知のためのトレーニングがなされます。
最後に、微表情検知スキルのトレーニング効果が計測されます。
実験の結果、
トレーニング前の状態では、コミュニケーションスキルの高い学生と低い学生の間には、微表情検知スキルに違いはなかったのですが、トレーニング後の状態では、
コミュニケーションスキルの高い学生は、微表情検知スキルが向上したのに対し、
コミュニケーションスキルの低い学生は、微表情検知スキルが向上しませんでした。
なぜこのような結果になったのかについて明確なことは明らかになっていません。
ある研究で、サービス業に従事する人々の微表情検知スキルがトレーニング前後で劇的に変わり、その効果は2-3週間持続する、ということがわかっています。この研究から考えるに、
向き不向きより、前向き。
なのではないかと私は思っております。
コミュニケーション能力の高い学生は、微表情検知スキルを高め、さらにコミュニケーション能力を高めようと前向きにトレーニングに取り組んだ。一方、コミュニケーション能力の低い学生はそういう気にならなかった。
そんな気がしております。
やる気があれば何でも出来る。
やる気があれば0.2秒の微表情も読みとれるようになる。
気持ちは行動の原動力
と私は信じております。
清水建二
参考文献
Endres J, Laidlaw A (2009) Micro-expression recognition training in medical students: a pilot study. BMC Med Educ 9: 47. doi: 10.1186/1472-6920-9-47