本ブログで何度か紹介させて頂いております通り、いつでも、どこでも、誰の顔にも表れる万国共通な7つの表情というものが存在しています。表情学の世界では、これらの7表情以外にも万国共通な表情があるのではないかと考えられ、目下、研究が進められております。
本日はそんな研究の中で、「畏敬」「楽しみ」「誇らしさ」表情の普遍性について考察した研究をご紹介させて頂きたいと思います。
西欧系、ラテン系、アジア系、アフリカンーアメリカンの男女72名を対象に実験が行われました。実験参加者は、実験室にて一つ一つ感情―「畏敬」「楽しみ」「誇らしさ」―を指定されます。実験参加者は、指定されたそれぞれの感情を自分の過去の経験から呼び起こし、言葉を使わずにその感情を他者に向かって表現するようにします。
そのときの実験参加者の顔の表情及び上半身の動きを観察します。
その結果、
「畏敬」感情では、目と口が見開き、眉はハの字になる様が観察されました。
「楽しみ」感情では、口は大きくあけながらほころびを見せ、目尻にはしわが観察されました。また頭や身体が上下にバウンドするような動きも観察されました。
「誇らしさ」感情では、口はほころびながらも唇に力が入り、目尻にはしわが観察されました。また背筋を伸ばす動きも観察されました。
このように準万国共通な表情に関する知見が徐々に蓄積されています。
私たちは一体いくつの万国共通な表情を持っているのでしょうか?
多彩な感情世界を記述する方法を、科学は日々探求しているのですね。
清水建二
参考文献
MICHELLE N. SHIOTA,BELINDA CAMPOS,AND DACHER KELTNER
The Faces of Positive Emotion
Prototype Displays of Awe,
Amusement, and Pride
Ann. N.Y. Acad. Sci. 1000: 296–299 (2003).