本日より、いよいよウソ検知の科学シーズンⅡのスタートです!
ウソ検知の科学シーズンⅠでは、これまでのウソ研究で明らかになったウソ検知法、ウソのサインの集大成を非言語情報に焦点を当てご紹介してきました。
実験室や実際の取調べの様子、会見映像で証言をしている人の非言語サインを観察し、ウソつきからウソのサインを見出すという研究がこれまでなされてきました。2003年までこうした手法がウソ検知の科学の主流でした。これを旧世代のウソ検知の科学と呼びます。
2003年以降のウソ検知の科学は、旧世代の科学では、限界を弄していた観察のみによるウソのサインの発見、という手法を改め、新しい方法論、つまり新たなパラダイムが工夫されました。新世代のウソ検知の科学とは、どういうものでしょうか。新しいウソ検知の研究動向は主に次の4つにまとめられます。
①ウソのサインを誘発するような質問法の模索
②複数人のウソを検知する方法
③文化間で問題になるウソ検知法
④意図に関わるウソ検知法
①は、ウソつきの非言語情報を観察のみに頼り検知しようとするこれまでの手法ではウソのサインをとらえるのが容易ではない、という反省から生み出されました。
②は、一人でつくウソと複数人でつくウソには戦略上の違いがあるのではないか、という仮定から生み出されました。
③は、民族や国籍、育ちが違う容疑者を法の執行官らが取り調べる際にぶつかる壁、冤罪の危険性を考えるために生み出されました。
④は、もうすでに行った事柄に関する誤った情報の証言=ウソ、ではなくこれから行う行動に関する誤った情報の証言=意図、をとらえる手法の必要性が、スパイやテロリズムの防止の観点から生み出されました。
次回よりこの4つの研究動向を主軸にご紹介していこうと思います。
お楽しみに!
清水建二