瞬きの増加と鼻にさわる動きはウソのサインではない、前々回及び前回のブログで取り上げさせて頂きました。
鼻にさわる、という動きをより抽象的な視点で説明しますと、自分の身体の一部で他の身体の一部をさわったり、つねったり、さすったりするマニュピュレータ―という現象です。顔をさわる、額をこする、胸元をなでおろす、手をすり合わせる、全てマニュピュレータ―です。
瞬きの増加は主に緊張時に、マニュピュレータ―は緊張を含めた感情のブレを原因に起こることが知られています。
ウソがばれないだろうかと緊張していれば、これらの動きは生じますし、冤罪をかけられてしまうのではと緊張すれば、同様にこれらの動きは生じます。
つまり、瞬きの増加とマニュピュレータ―はウソのサインではないのです。しかし、工夫次第でウソのサインとして使えることがあります。
例えば、ウソをついているのでは?と疑われている3つの疑惑について容疑者が供述しているとします。どの疑惑について話しているときも同じくらい緊張しているとします。こうした中で、ある話題、例えば2番目の話題を話しているときに、他の話題を話しているときに比べ、瞬きやマニュピュレータ―増加が観られれば、ウソのサインになり得ます。
同じ緊張状態なのになぜ2番目の話題だけ緊張度が高まったのだろうか?
と考えるわけです。
もちろんこの段階で供述をウソと断定することはなく、2番目の話題について深掘りする段階へとインタビューは続きます。
上手く個人内比較を設定できれば、ウソのサインとして認められていない動きもウソのサインとなり得るのです。
何でもそうですが、生きる上で大切なことは、
特別を探す必要なない。
工夫次第で普通が特別になる。
ものだと思っています。
清水建二