微表情

フラッシュのように一瞬で表れては消え去る微妙な表情、微表情。このブログでは、微表情、表情、顔を始めとした非言語コミュニケーションの研究や実例から「空気を読む」を科学します、「空気」に色をつけていきます。

感情と会話のシグナルー解説編

 

先週の記事で感情と会話のシグナルに関する問題を出題させて頂きました。本日はその解説をさせて頂こうと思います。前回問題として使用した画像は以下の通りです。

 

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※本画像の権利は、株式会社空気を読むを科学する研究所に帰属します。無断転載を禁じます。

 

感情群の答え

①「悲しみ」

②「悲しみ」「激しい悲しみ」

③「驚き」

④「恐怖」

⑤「怒り」「激しい悲しみ」

 

感情群の大まかな表情の特徴については、これまで随所にご紹介してきておりますので、本日は「額のしわ」に焦点を絞り、解説します。

 

①は、眉の内側が引き上げられることにより、額に山状のしわが出来ることがありますが、個人差があり、山状のしわが形成されない人もいます。この画像の人物は形成されておりません。

②の人物の額には、山状のしわが二本確認出来ます。これが「悲しみしわ」です。また眉に力が入り、眉間にしわがあります。「山状のしわ」+「眉間のしわ」=「激しい悲しみ」のときに生じます。

③は、眉全体が引き上げられることにより、額に水平のしわが出来ます。

④は、眉全体が引き上がり、同時に眉が中央によることで、額に波状のしわが出来ます。機会があるときに不動明王様の額をご覧下さい。これと同じ波状のしわを確認することが出来ると思います。不動明王様は何に「恐怖」を感じているのでしょうか??

⑤は、眉が下がりながら中央によることにより、眉間にしわが出来ます。「怒り」が典型的ですが、「激しい悲しみ」、特に多量の涙を伴うような号泣のシーンで観察することが出来ます。

 

会話のシグナル群の答え

「興味・関心・興奮・同意・挨拶・疑問」

「不確実・困惑・疑い・熟考」

 

会話のシグナルは、ある単語やフレーズを強調するために使われますが、主に③の動きは肯定的な意味を含み、⑤は否定的な意味を含みます。ただし、物事をよく考えている時にも見られる動きですので、必ずしも否定的な側面だけを表しているわけではありません。

 

③と⑤に関しては、表情も会話のシグナルも同じ筋肉動作を伴っていることがわかります。それでは、表情の動きと会話のシグナルをどう見分ければよいのか?という疑問が当然出てくると思われます。結論から申しますと、両者を明確に区別出来る絶対的な方法はありません。しかし動きのタイミング、文化的な背景、個人的なクセを手掛かりに特定することが出来ます。

 

どうやって?

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清水建二

 

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参考文献

Ekman, P. About Brows- Emotional And Conversational Signals In HUMAN ETHOLOGY, M. von Cranach, K. Foppa, W. Lepenies, & D. Ploog, (eds.) Cambridge: Cambridge University Press, 1979. Pp. 169- 248.