「微表情ある風景」第三話は、
「言うに言われぬ過去を背負っているあなたのココロはどこに行く」
です。
倫理的に反したことをしてしまった人が、自己の過去について語ってくれました。
その人は、
「もう過去の事だから」
と言い放ちます。
もう済んだことだからと、
もう終わったことだからと、
もう「時効」だと、
過去の話を淡々と話している様子でした。
しかし、随所に「罪悪感」「自己卑下」の微表情が現れては消え去っていました。
これまで、そしてこれからも、人に言うに言えない倫理的な罪悪感を背負い生きる、
それに気づいたとき、どうしてあげたら良いのだろうか。
…。
…。
警察車両に乗り込む容疑者を目にすることがあります。
ほとんどの容疑者は、「恥」や「罪悪感」が混じり合った表情をしています。
今後の行く末に気をもみ、「不安」表情をしている容疑者もいます。
痴情がらみの事件では、「嫌悪」表情を見せる容疑者もいました。
事態を呑み込めていない容疑者は、感情をなだめようとする表情をしたりしていました。
対照的に、「誇り」表情をしていたテロリストもいました。
倫理は道徳が定義します。
犯罪は法律が定義します。
「ルール」を犯した時に人がどんな表情をするかによって、どんな感情を持つかによって、その人の未来がある程度わかるような、そんな気がします。
清水建二