日頃、お世話になっている柴田励司さんが、
2023年10月27日に『リーダーの気くばり』を上梓されました。
私自身、経営者をしており、様々な経営者が書いた本を読みます。
「この内容は理想かな?それとも事実?」と思いながら、読みます。
なぜなら、「なりたい自分」を「すでにそうである自分」として、
理想を事実のように語る経営者に多々お目にかかるからです
(こうしたことは経営者にときに必要ですので、否定しているわけではありません)。
しかし、本書はそうした性格のものではありません。
約10年、私は、柴田さんとの付き合いを通じて、
柴田さんが、随所で言葉にし、心身を使って実践して来たことが
本書には書かれていると断言できます。
「この人と一緒にいたい!」「この人と一緒に働きたい!」
そう思い、そう思われるために、柴田さんが、
上司、部下、同僚、顧客、自分と家族に向けて自他の経験から感じ、
実践されてきた「気くばり」のコツが書かれています。
柴田さんに会食に招待されたときのことです。
「何でもお好きなものをどうぞ」。
メニューを見る私。
メニュー(お客さん用のメニュー)に値段が書いていないのです。
素敵な気くばりだと思います。
招待されたお客さんは、食べたいものより値段を見てしまいます。
20,000円のステーキを食べたくても、10,000円のステーキにしてしまいます。
メニューに値段がないのは、そうさせない気くばり。
お客さんに本当に食べたいものを選んでもらえる気くばり、そう思います。
メニューに値段が書いていないお店に人を招待する機会は少ないのですが、
この経験から、私は招待したお客さんが値段を気にしなくてすむ気くばり、
例えば、p178-179などに書いてあることを実践しています。
また、柴田さんに幾度も連れて行って頂いた素敵なお店が、
p.174に掲載されています。
様々な気くばりに満たされたお店です。
是非、足を運び、体験されることをオススメします。
もちろん、気くばりはお金のことだけではありません。
表情の気くばりについて。
柴田さんは、若い頃、瞬間湯沸かし器と形容できるほど、
すぐに怒りが込み上げて来る性格だったようです(他書情報による)
しかし、私が、柴田さんと出会って以来、怒りの表情を見たことがありません。
怒りの微表情すらありません(私は、微表情のプロですよ!)。
なぜでしょうか?
それは、自分と周囲への気くばりからでしょう。
自分への気くばりは、自分の健康のためです。
あんまり怒っていると健康を害します(脳や心臓に悪いです)。
周囲への気くばりとは、具体的には、笑顔や相手を思いやる表情。
リーダーには、打ち合わせや面談、ちょっとした相談が、次から次へと舞い込みます。
内容によっては、怒りが沸いてくる案件もあるでしょう。
しかし、その怒りを他の案件にまで引きづってしまうと、何でもない相談事や
普段なら許容できることに怒り再燃。初めて会う顧客にも陰りのある作り笑い。
帰宅しても、家族にイライラ。そんなふうになってしまいます。
リーダーは、常にご機嫌でありたいのです。
ご機嫌でなくても、ご機嫌に振舞いたい。
人の話をよく聞き、思いやりを示したい。
そのヒントが、本書p.24、p.48、p.62、p.166などに書かれています。
周囲を明るく出来る、頼れる人になれるヒントです。
その他様々な気くばりのコツや心構えが書かれています。
是非一人も多くの方に読んで頂きたいオススメの書籍です。
清水建二