本シリーズでは、私がビジネスや日常生活の場面でどのように微表情を活用しているのかをご紹介したいと思います。
本日は、「軽蔑」微表情です。
私がある人と交渉している場面を想定して下さい。
私が交渉相手の顔から「軽蔑」微表情を読みとるところからスタートします。
次に考えるのは、
この「軽蔑」、どこに向けられているのか?
ということです。
①私の発言、意見や態度に対する「軽蔑」でしょうか?
②話し相手が自分自身に向かって感じている「軽蔑」、すなわち「自己卑下」「罪悪感」でしょうか?
③話し相手が全く関係ないことを空想していて、その場には全く関係ないことに対する「軽蔑」でしょうか?
このように「軽蔑」感情が向けられている対象(矛先)について推測します。
ここでは、仮に①の場合であると想定し、話を続けます。
次に考えるのは、
「軽蔑」感情という情報をどう活かすか?
ということです。
相手から有用な情報を引き出したい、相手に当事者意識を持ってもらいたい、相手を自分の仕事に巻き込みたい、そんなふうに考えた場合、感情の機能をサポートする方法を用いた手法をとります。「軽蔑」感情の機能とは、「優越感を主張したい」というものです。相手の顔に「軽蔑」微表情が浮かんだということは、相手は私の意見に対し優越感を感じつつも、それを抑制しているのです。それならば、出来ることは一つ。相手の優越感を刺激する、です。
例えば、「私のアイディアに足りない視点は何でしょうか?」
と相手に聞きます。
そうすると相手は私に色々アドバイスをしてくれるようになります。
自分の自尊心を守りたいとき、相手の意見を聞く価値がないと判断したとき、こちらの情報を相手に与えたくない、そんなふうに考えた場合、話を切り上げたり、違う話題に切り替える方法を取ります。
例えば、「そんな私のアイディアもありますが、まだ検討中でございまして、さらなる思索を重ねたいと思っています。」
そんなふうに言います。
特に、深く情報を共有したくないときを見極めることはビジネスを行っていて重要でしょう。
例えば、相手がこちらを利己的に利用しようとしている場合です。産業スパイであったり、金銭的な損害を与えることが相手にはわかっている投資案件であったり、事業の協力を装う同業者であったり、サービスを無料で享受しようとする人もいます。
皆さんが私と話していて、私が突然話題を変えたり、私の話の深度が浅い、と感じられたなら、それは私が皆さんの「軽蔑」微表情を読みとり、「あなたと情報を共有したくない」と考えた結果かも知れません。
いや、(半分)冗談です笑
時間がなく、緊急事項の話に切り替えなくてはいけない場合や単純に私の知識不足の場合もありますので笑
微表情を読みとり、
感情の方向をどう推測するのか?
感情情報をどう活かすか?
感情心理学の理論に沿ったコミュニケーション術を行うことで、いつでも、誰でも、どこにいても同品質かつ効果的なコミュニケーションの流れを作り出すことが出来るのです。
清水建二