微表情

フラッシュのように一瞬で表れては消え去る微妙な表情、微表情。このブログでは、微表情、表情、顔を始めとした非言語コミュニケーションの研究や実例から「空気を読む」を科学します、「空気」に色をつけていきます。

2017年8月21日(月)キャリタス就活フォーラムDISCOイベント振り返り

 

本日は、月曜日に開催されましたキャリタス就活フォーラムby DISCO様のイベントを振り返らせて頂こうと思います。

 

東京ビックサイトの会場にて、11:00~12:00の回と12:30~13:30の回の2回登壇させて頂きました。今回の面接LABOのテーマは、

 

第1部面接LABO【面接突破】Yes(合格)を引き出す面接術

第2部面接LABO【面接官攻略】面接官の心理を読み取り、自分を売り込む方法

 

でした。

 

それぞれのセミナーでは、前半は好評の鉄板ネタである、

 

・自分の行動と体験の中にある感情と学びを明確にすることでオリジナリティーのある回答を作る方法

・行動・体験から一貫したセールスポイントを伝える方法

 

を説明させて頂き、後半ではテーマに沿ったTipsを説明させて頂きました。それぞれのテーマによって内容は異なりますが、核となる共通のことは「面接官の感情の変化に応じて、情報の濃淡や伝え方を変える」というものです。

 

例えば、自身の意見を述べる場面があるとします。応募者の意見を聞きながら、面接官は「なるほど。素晴らしいアイディアですね。」と返答するとします。その返答を発する直前、あるいは発しながら、面接官の顔に熟考表情が浮かんだら、どんな言葉を次に続けたらよいでしょうか?あるいは、軽蔑表情が浮かんだら、どんな言葉を次に続けたらよいでしょうか?

 

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いかがでしょうか?要は、熟考には説明を、軽蔑には謙虚を、が相手の感情に叶ったアプローチです。面接という場は、自分のアピールの場であることは間違いありません。しかし、アピールという言葉の印象に引きずられて「伝える」スキルばかり意識していては不十分です。リスニングの出来ないスピーカーのままでは、コミュニケーションは成立しません。相手の感情を読まなければ、相手が求める「伝え方」は出来ず、「伝える」は「伝わる」にはならないのです。

 

就職面接だけでなく、一生使えるコミュニケーションスキルをこの機につかんで頂ければという想いで、セミナーさせて頂きました。

 

2018年卒向けの面接LABOセミナーは、次回、2017年9月18日が最終回です。まだ内定をもらっていない方、ギリギリまで就職活動を続けたい方、ビックサイトでお待ちしております。

 

 

清水建二

言葉と表情とが合わないとは?―言動不一致のロジック【問題編】

 

人の話を注意深く聞き正確な情報を収集する上で欠かせない観察視点の一つに、言動不一致、というものがあります。

 

言動不一致とは、言語と非言語とが合っていない場合のことを言います。話している言葉がポジティブなのに表情はネガティブの場合や、その逆、話している言葉がネガティブなのに表情はポジティブといったような場合です。

 

言動不一致が起きた場合、観察のアンテナを鋭くし、言語と非言語の不一致の原因を探ることで相手の本当の気持ちに辿りつくことが出来ます。「言葉に比べ表情や動作はコントロールがきかない」という前提に基づいている手法です。

 

それでは実践!ということで一見簡単そうなのですが、意外と一致か不一致かを判断するのが難しい場合があります。例題を通して考えてみましょう。

 

問題:問1~4の中で言動が一致している(言葉と表情とが一致している)ものには〇を、言動が一致していない(言葉と表情とが一致していない)ものには×をつけて下さい。

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※本画像の権利は、株式会社空気を読むを科学する研究所に帰属します。無断転載を禁じます。

 

瞬間的に〇×を判断できたでしょうか?意外と難しい問題もあったかも知れません。

解答は来週させて頂きたいと思います。

 

 

清水建二

声をかける・かけない接客のタイミング

 

とても興味深いニュースを目にしましたので、まずはこちらをどうぞ。

headlines.yahoo.co.jp

 

記事の内容をまとめますと、買い物中などに声をかけて欲しくないお客さんに声掛けをしない接客のあり方が工夫されているという内容です。

 

確かに「静かに買い物したいな~」とか思うことがありますよね。ニュースで取り上げられている事例は、来店やサービスを利用する最初の時点から、お客さんが声かけを求めていないということをサービス提供者が知れるという状況です。

 

声かけするか否かを臨機応変に対応し、接客の質を保ったり、お客さんの消費満足度を高めることの難しさが伺い知れます。

 

臨機応変な対応は一流の接客スタッフさんの暗黙知の中にあることがほとんどです。そこで以前、弊社はそれを見える化するために某店舗で買い物中のお客さんと接客スタッフさんとのやり取りを観察したことがあります。そこでわかったことは、購買段階に応じて特徴的な表情やしぐさの変化があるということです。

 

状況別のお客さんの表情やしぐさを読みとるスキルが身に着けば、声をかける・かけないタイミング、いつどんな声をかければよいかが明確にわかるのです。細かな内容はここで公開できませんが、一つだけそのTipsを紹介したいと思います。

 

ランダムウォーク+真顔

声かけしない方がよいでしょう。ただ商品を見ているだけのお客さんの可能性が高いです。

 

ランダムウォーク+眉間のしわ寄せ(あるいは額に波状のしわ)

声かけ候補です。何か特定の商品を探しているお客さんの可能性が高いでしょう。

 

接客が上手いスタッフさんはお客さんとのコミュニケーションの間合いを自然につかみ、自然にこんなことしています。

 

声かけにも科学を。

 

 

清水建二

額のしわから恐怖・悲しみ・驚きを区別するー解答編

 

本日は前回の問題の解答編です。

もう一度問題を掲載します。

どれが恐怖、悲しみ、驚きを表している表情でしょうか?

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※本画像の権利は、株式会社空気を読むを科学する研究所に帰属します。無断転載を禁じます。

 

正解は、

A列…全て驚き

B列…全て恐怖

C列…全て悲しみ

です。

 

理論的な解説及び個人差による違いの解説は次の通りです。

 

驚き…眉全体が引き上げられることにより、額全体に水平のしわが生じます。A1・A3の画像を観れば明らかです。A2はややしわが確認しづらいですが、額の外側までしわが生じているのがわかります。しわの生じ方は、驚きの強度や個人差によって変わります。

 

恐怖…眉全体が引き上げられると同時に眉が中央に引き寄せられます。これらの動きによって、額中央部に波状のしわ及び眉間には縦もしくは45度のしわが生じます。B1・B2の画像が明らかです。驚きと違い額の外側のしわが消滅していることがわかります。B3はややわかりづらいですが、よく観察すればわかります(専門的に言えば、AU1+2+4がコード化できるので、恐怖に関連する感情が生じていると言えます)。あるいは集団差ではなく個人差で観る、つまりB3をA3及びC3と比較すると違いが際立つと思います。

 

悲しみ…眉の内側が引き上げられます。悲しみが強い場合、眉が中央に引き寄せられます。これらの動きによって、額に山型のしわ及び眉間には縦もしくは45度のしわが生じます。C列の全ての画像で眉間のしわが確認できます。山型のしわが明らかなのは、C3です。山型のしわがC1にも確認できますが、筋肉の動きが弱く見えづらい状態です。C2に関しては山型のしわは生じておりません。額にもともと刻まれているしわに影響された結果だと考えられますが、よく観察すれば内側前頭筋肉(額にある筋肉の内側部分)が強く収縮しているのがわかり、悲しみが生じていることが推測できます。

 

 

清水建二

額のしわから恐怖・悲しみ・驚き表情を区別するー問題編

 

本日は、問題にチャレンジして頂きたいと思います。

次の各表情は恐怖・悲しみ・驚きの感情を表しています。それぞれ特定して下さい。

なお、行(横)は全て同一人物です。

 

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※本画像の権利は、株式会社空気を読むを科学する研究所に帰属します。無断転載を禁じます。

 

解答・解説は次回させて頂きたいと思います。 

 

 

清水建二

微表情検知DVDの効果的な使い方

  

 本日は、弊社製作の微表情検知DVD(動画版・フラッシュ版)を購入された方々対象にDVDの効果的な使用法をご紹介させて頂きたいと思います。

 

①コースの予習・復習に使う

 弊社で半年ごとの開講で行われている「表情・しぐさ分析総合コース」の予習・復習でDVDを利用して頂く方法があります。コースでは、表情筋と感情との関係を解説し、DVDに登場している役者さん含め、それ以外の様々な人物の微表情を観察・分析していきます。表情筋の深い知識とともにDVDをセルフトレーニング用に利用して頂ければ、高い学習効果が期待出来るでしょう。

 

 なお「表情・しぐさ分析総合コース」の次回開講は、10月です。次々回は4月です。すぐに満席となりますので、ご興味&ご都合が合う方はお早めにお申し込み下さい。

peatix.com

 

②『微表情を見抜く技術』とともに使う

 拙著『微表情を見抜く技術』(飛鳥新社)では、イラストで表情筋の動きと感情との関連を解説しているだけでなく、感情の機能に力点を置き、解説しております。感情の機能を知ることで、微表情を見抜いたその後にどんなリアクションが適切なのかを論理的に導き出せるようになります。DVDで微表情を見抜けるようになった後の世界に興味がある方は、本書をお読み下さい。日常の感情コミュニケーションに興味がある方、感情コミュニケーションの曖昧さを科学の視点からハッキリさせたい方におススメです。

微表情を見抜く技術

微表情を見抜く技術

 

 

③『「顔」と「しぐさ」で相手を見抜く』とともに使う

 拙著『「顔」と「しぐさ」で相手を見抜く』(フォレスト出版)では、写真で表情筋の動きと感情との関連について解説しています。DVDをゆっくり再生しても正解に納得出来ない場合、微妙な表情の動き、しわの形を本書の表情写真を通じて学んで頂くことで、正解の根拠に気付けるようになるでしょう。表情、しぐさ、声、質問法、ウソを見抜く技術に興味がある方にオススメです。

「顔」と「しぐさ」で相手を見抜く

「顔」と「しぐさ」で相手を見抜く

 

 

 

清水建二