微表情

フラッシュのように一瞬で表れては消え去る微妙な表情、微表情。このブログでは、微表情、表情、顔を始めとした非言語コミュニケーションの研究や実例から「空気を読む」を科学します、「空気」に色をつけていきます。

表情に込められた適応の軌跡―嫌悪表情問題編

 

感情は私たちが環境に適応して生きていくために必要なシステムです。感情と表情筋との動きに焦点を当てると、感情は表情筋の動きを通じてそのシステムを駆動させます。本日は嫌悪感情―表情について、具体的にこのシステムについてみていこうと思います。

 

最初に問題を考えて頂こうと思います。A群の表情とB群の状況とを結びつけてみて下さい。なお一つの表情に複数の状況が当てはまる場合があります。またA群の表情は全て嫌悪に関わる表情です。

 

A群 表情

1 鼻にしわが寄せられる

2 アゴが下げられ、舌が出される

3 上唇が引き上げられる

 

B郡 状況

あ 酸っぱいものあるいは苦いものを食べる

い スプーン半分のコショウを口に含む

う 腐敗した食物のにおいを嗅ぐ

え 強制収容所での残忍な様子が収められた写真を観る

お 親友が近親婚をする

か 怒りと軽蔑を感じる

 

いかがでしょうか?

ヒントとしては、B群の状況をカテゴリー分けして考えるとわかりやすいかも知れません。

解説は次回させて頂こうと思います。

 

 

清水建二

参考文献

Rozin Paul, Lowery Laura, and Ebert Rhonda, “Varieties of disgust faces and the structure of disgust,” Journal of Personality and Social Psychology, 1994, 66(5): 870–881.