自信に満ち溢れ、指導力にみなぎり、支配的な雰囲気を醸し出している…そんな顔の持ち主を思い浮かべて下さい。身近にいる人ですか?メディアに出てくる人でしょうか?
身近にいる人だったらこの先、その人について行くことは吉かも知れません。
実はこの3点を満たした顔の持ち主は、成功しているCEOに特徴的な顔のようです。
多数のCEOの顔写真を様々な評価基準で実験参加者に評価してもらいます。そうすると、自信と指導力の評価の高さとそのCEOが運営する会社の収益とに、また支配度の高さとCEO個人の報酬額とに関係(相関)があることがわかりました。
CEOの顔から醸し出される雰囲気から会社の成績のみならず個人の成功までも予測できる、ということのようです(Rule, & Ambady, 2008; 2009)。
興味深いことに、これは男性のCEOだけではなく女性のCEOにも当てはまることだということです(Rule, & Ambady, 2009)。
社会で生きていく上で男女の役割というものが、どうしても、まとわりつきます。男性はこうであるべき、女性はこうであるべき、というものです。それがCEOに限っては「ない」ということが言えそうです。顔というものが様々な経験を経て作られる、という前提に立てば、CEOの立場になる道程において求められる顔には男女において関係なくなっていくのだと思われます。
いや、ちょっと待った。
男性社会が優位のビジネス、CEOの世界ということを考慮すると、男性が求めるCEO像に女性が参入し、CEOの女性は「男らしい女性」になったのでしょうか?
…。
ここは微表情ブログでしたね、ジェンダー論のブログではありませんでした。
さて、会社の顔、CEOの顔から会社の成績がわかる。
みなさんの会社の社長はどんな顔でしょうか?
支配的な顔ならお金をいっぱい持っているかも知れませんね。
おごってくれますかね?ん?支配的な人はケチ?ですかね?
清水建二
参考文献
Rule, N. O., and Ambady, N. (2008). The face of success: Inferences from chief executive officers’ appearance predict company profits. Psychological Science, 19, 109-111.
Rule, N. O., and Ambady, N. (2009). She’s got the look: Inferences from female chief executive officers’ faces predict their success. Sex Roles, 61, 644-652.