微表情

フラッシュのように一瞬で表れては消え去る微妙な表情、微表情。このブログでは、微表情、表情、顔を始めとした非言語コミュニケーションの研究や実例から「空気を読む」を科学します、「空気」に色をつけていきます。

認定FACSコーダーの方々へのアドバイス

 

本日は、認定FACSコーダーの方々へアドバイスをさせて頂きたいと思います。

 

FACSコーダーのテストをパスしたら、1000時間のFACSコーディングのトレーニングをして下さい。これがFACSを用いて研究や実務を高水準に行うための必要条件になります。

 

ご存知のようにFACS分析は、正式な分析法として、2人の認定FACSコーダーが独立して分析を行います。それぞれが分析したコード群の相関を取り、0.8~0.9を超えたものだけが客観性のあるデータとして残ります。

 

相関式は、「2人のコーダーのスコアが一致しているAUの数×2」/「2人のコーダーによってスコア化されたAUの総数」ですので、例えば、

 

コーダーAのスコア:1+2+5612

コーダーBのスコア:5612

 

だとすると、(3×2)/8=0.75 になります。

 

FACS認定試験の合格基準は0.7です。したがって、多少のミスをしていても合格基準に達することは可能です(ちなみに、Face Reader7.0という自動表情解析によるコード群と認定FACSコーダーによるコード群との相関は平均0.69という調査結果が2014年に発表されました。つまり、Face Reader7.0は、2014年時点ではFACS試験にパス出来ないということになります)。

 

そこで、コード群の客観性が高いと判断される水準0.8~0.9に引き上げるために、FACS合格後1000時間というトレーニングが必要となります。

 

現在、清水ゼミでは、弊社で学ばれ認定FACSコーダーになられた方々と様々な動画素材を用いてFACSコーディングのトレーニングを継続的に行っています。コーディング毎に相関を測定しており、相関の幅はおおよそ0.5~1です。平均的には0.7強です。

 

1000時間というトレーニング時間は、エクマン教授が推奨している数字ですが、空気研ではより効率的な方法がないか、清水ゼミの認定コーダーらと模索しています。FACSマニュアルの習得には100時間かかるといわれる中、空気研では50時間でコーダー試験をパスする方々も現れました。したがって、0.7から0.9に引き上げる効率的な方法も見つかるのではないかと期待しています。

 

それでは、コーダーの皆さま引き続き頑張って下さい。

またニュースがあればお知らせしたいと思います。

 

 

清水建二