私は職業作家ではないので、普段の仕事の合間や休日に執筆することになるのですが、執筆中は、その本に何を書くべきか、何が書けるか、何を書きたいのか、そんな想いに常に憑りつかれております。
歩いているとき、電車に乗っているとき、本を読んでいるとき、講義をしているとき、寝ているときでさへも、頭の中はほとんど執筆のことに関連付けられた思考が巡っています。
そんな日々を過ごしていると、ふと、抽象的な想いが具体的な言葉となる瞬間があります。乗る、と表現したらよいのでしょか。スタックしていた思考が動き出し、一気に筆が走り出します(本当はキーボードですけど)。一気に5,000字くらいは筆が進みます。ビジネス書は全体で通常8~10万字くらいなので、2~3時間で全体の1/20を書き上げられることになります。
ところで、書店のビジネスコミュニケーションや心理学のコーナーに足を運ぶと、他者の表情や想いを読む本に比べ、自分を伝える本の方がはるかに多いことがわかります。
一見すると、非言語コミュニケーション分野では「伝える」知見の方が「読む」知見よりも多くのことがわかっているようですが、実は逆です。
科学知見の世界では、「読む」知見の方が「伝える」知見よりもはるかに多くのことがわかっています。
それでも書店に「伝える」系の書籍の方が多い理由は、おそらく、ビジネス経験者にとって読むスキルより伝えるスキルの方がまとめやすいということと(消極的な)読むスキルよりも(積極的な)伝えるスキルを獲得したいという一般の方々の需要が多いからだと思います。
「読む」に比べて「伝える」の方が、直感的に理解しやすく、効果も実感しやすいからなのでしょう。実際に研修コンテンツをセールスする担当の方々に話を聞くと、異口同音の答えが返ってきます。
そんな事情の中、私の強みを活かすには?と考え(私一人の「伝える」経験では、例えば20年のビジネス体験を持つ筆者の方々に経験的にはかなわないので)、既存のビジネス書では適切に書かれていない科学的な「伝える」知見と多くの方々―私自身の体験や私の受講生さん・クライアントの体験―の「伝える」経験とを合わせた書籍を執筆させて頂くことになったのです。
既存のビジネス書に欠けている、もしくは誤解を招いている「伝える」科学知見は何だろう?
「伝える」科学知見が日常やビジネスの「伝える」世界にどこまで応用できているだろう?
そんなことを考えながら執筆しました。
科学と経験のハイブリッド
この度の伝える書籍でも形に出来ました。
清水建二
紹介図書
ビジネスに効く 表情のつくり方 (顔は口ほどにモノを言う!)
- 作者: 清水建二
- 出版社/メーカー: イースト・プレス
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