本日は、「6割は勝つ方法!科学的感情アプローチ法―恐怖編」です。
恐怖とは、どんな感情なのでしょうか。
恐怖の表情は、眉が引き上がると同時に眉間に力が入ります。そして目は見開き、下まぶたには力が入ります。口角は水平に引かれます。表情全体がこわばっている印象を受けると思います。恐怖は、身体や精神に危険を感じることによって引き起こされます。恐怖を感じている人は、その危険を回避したり、安全を確保する行動をとります。
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感情というものは、自己のネガティブな状態をポジティブな状態にするために、ポジティブな状態はポジティブな状態を保つために存在しています。自分の感情状態を手掛かりに、どのような行動をとればポジティブな状態になれるのか、ポジティブな状態を維持できるのかを意識・無意識問わず、私たちは考え、行動しているのです。
つまり、自身や会話相手のネガティブな状態を、表情や声、その他ボディーランゲージを通して気付き、そのネガティブ感情の機能を理解していたならば、その感情の機能を意識的にサポート、促進させるような行動をとることで、ポジティブな状態に変えることができると論理的に考えることができます。
具体的に恐怖の場合で考えてみます。
犯罪容疑者の取り調べが典型的ですが、誰かに嫌疑をかけているシーンを想像して下さい(会社で財布が盗まれた、領収書の内容がおかしい、業務上横領の疑いがある…etc)。容疑者に犯行に関連する質問をしたとき、容疑者の顔に恐怖の微表情が浮かぶとします。その人物を犯人だと言えますか?
微表情の表出をもって犯人と決めつけるのは早計です。微表情が出た原因、ここでは恐怖の原因を探る必要があります。つまり、「なぜ身体的・精神的な脅威を感じているのだろう?」という視点を持つ必要があります。冤罪になってしまうのが脅威なのか、犯した罪が露呈してしまうのが脅威なのか?どちらの方向性も考えられるのです(微表情を利用したウソ検知は、ここでは十分に説明しきれないので他の機会に譲ります)。
微表情の表出から、感情の原因を問うきっかけを発見する、そんな科学的感情アプローチ法としても有用です。
清水建二
参考文献
本日はいつもの一冊に加え、相手の感情からニーズを理解し、非暴力的なコミュニケーションを構築していく手法を教えてくれる書籍をご紹介したいと思います。
- 作者: マーシャル・B・ローゼンバーグ,安納献,小川敏子
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2012/06/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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そして、いつもの一冊
そして最後に私の著書、感情の活かし方を知りたい全ての方へ。
微表情を見抜き、相手の感情に沿う方法を紹介しています。