微表情

フラッシュのように一瞬で表れては消え去る微妙な表情、微表情。このブログでは、微表情、表情、顔を始めとした非言語コミュニケーションの研究や実例から「空気を読む」を科学します、「空気」に色をつけていきます。

「悲しみ」の表情

本日は、「ウソ泣きか本当の涙か?」で登場した「悲しみ」の表情についてご紹介したいと思います。

 

悲しみー「ハの字眉毛」と「あごのしわ」

 

悲しみ                    弱い悲しみ

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「悲しみ」表情の特徴は、「ハの字眉毛」と「あごのしわ」です。典型的な顔の動きとしては、まゆの内側を上げる+(両まゆを中央に引き寄せる)+口角を下げる+(下唇を上げる)、というものです。

 

 「悲しみ」とは、失望、喪失、敗北感、期待外れの感情、幻滅などを含む否定的な感情を言います。「悲しみ」は価値あるものや人を失ったときに表れます。私たちは他者の顔に「悲しみ」のサインを読みとったとき、その人を慰めようとします。「悲しみ」は人に同情心を引き起こす働きを持っています。進化生物学的には、「悲しみ」の表情は何か嫌なことが起きたことを示し、他者との接触を避けようとするサインです。

 

「悲しみ」を示す他のボディー・ランゲージとしては、頭・視線を下げる動作、うなだれる動作、緩やかな声、言葉数が少なくなるといった動作が挙げられます。

 

 

清水建二

 

 

参考文献

工藤力著(1999)『しぐさと表情の心理分析』福村出版

工藤力/ディビット・マツモト著(1996)『日本人の感情世界―ミステリアスな文化の謎を解く』誠信書

P・エクマン/W・フリーセン著 工藤力訳編(1987)『表情分析入門』誠信書

Ekman Paul, Friesen Wallace, Hager Joseph (2002) Facial action coding system: a technique for the measurement of facial movement. Consulting Psychologists Press, Palo Alto, CA

Michael Lewis(ed), Jeannette M. Haviland-Jones(ed), Lisa Feldman Barrett(ed). (2010) Handbook of Emotions, Guilford Pr; 3 Reprint

Patryk Wezowski, Kasai Wezowski. (2012). The Micro Expressions Book for Business, New Vision.