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微表情

フラッシュのように一瞬で表れては消え去る微妙な表情、微表情。このブログでは、微表情、表情、顔を始めとした非言語コミュニケーションの研究や実例から「空気を読む」を科学します、「空気」に色をつけていきます。

真の表情と嘘の表情

 

本ブログのアクセス数ランキングの常に上位にランクインしている記事が、「愛想笑い」「ウソ泣き」に関するものです。本当の感情から沸き起こって来る真の表情と感情はなく意図的に作られた偽の表情との違いについて、並々ならぬ皆様の関心の高さがうかがい知れます。

 

そこで本日は、真の表情と嘘の表情の違いについてまとめておきたいと思います(※)。区別するためのポイントは4つです。

 

ポイント①信頼できる筋肉(Ekman, 2003)

真の表情には、「信頼できる筋肉」といって意図的には動かすことの難しい顔面筋があります。例えば、幸福表情の場合、「目の周りの筋肉の収縮」が「信頼できる筋肉」のサインです。「目の周りの筋肉の収縮」を伴う作り笑顔をしようとしても、なかなか上手く行きません(仕事柄得意な方はお見受けいたしますが。)悲しみ表情の場合、「眉の内側が上がる」+「眉が中央に引き寄せられる」動きが「信頼できる筋肉」のサインです。この表情もトレーニングを積まない限り、意図的に動かすことは難しいです。

 

ポイント②対称性(Frank and Ekman, 1993; Ekman, 2003)

真の表情は左右対称となります。偽の表情は左右非対称となります。

 

ポイント③強度(Hessら, 1995)

本当の感情が強いほど、その感情に関連する表情筋の動きも強くなります。「私は無実なのに、疑われて凄く悲しい!」とテレビのインタビューに答え、後に逮捕された詐欺師の表情が、全く悲しい表情になっていないのを見たことがあります。

 

ポイント④身体的な覚醒(Ekman, 2003; Levenson, 2014)

怒り、恐怖、悲しみを感じると、心の奥底から湧き出てくる「何か」を感じますよね。それが身体的な覚醒と呼ばれるものです。本当の感情が湧き起こるとき、身体的な覚醒が顔に様々な形をとって表れてきます。「息づかいの変化」「発汗」「まばたきの増加」「瞳孔の拡張」などは不特定の感情表現で観察されます。「唾の飲み込み」は恐怖、「涙」は悲しみか歓喜、「赤面」は怒りや羞恥、恥、罪悪感、「蒼白」は恐怖や怒りです。以上の身体反応が、本物の感情から湧きおこってくるときに観察されることがあります。

 

ちなみに…

 

人間に見た目そっくりなロボットの開発やお披露目が最近よくニュースで話題となっていますが、あのロボットの表情の不気味さ(不気味の谷現象)は、上記のポイントが抑えられていなところにもあると思います。また、ロボットも本当の表情だけでなく、愛想笑いなども出来るようになれば、よりリアルになるのではないでしょうか。ウソも人間のコミュニケーションにはなくてはならない表現方法なのですからね。

 

と言いますか、ウソをつくロボット、お世辞を言うロボット、いたら面白いと思うのは私だけですか?

 

※幸福、軽蔑、嫌悪、怒り、悲しみ、恐怖、驚きそれぞれの個別表情の真偽について知りたい方は、弊社の「表情分析プラクティショナーコース」をご受講下さい。コース受講生の皆様に配布させて頂くテキストで解説させて頂いております。

 

 

清水建二

参考文献

Ekman, P.(2003).Darwin, deception, and facial expression. Ann. N.Y. Acad. Sci.

1000, 205–221.doi:10.1196/annals.1280.010

Frank, M.G., and Ekman ,P.(1993).Not all smiles are created equal :the differences between enjoyment and nonenjoyment smiles. Humor 6, 9–26.doi:

10.1515/humr.1993.6.1.9

Hess, U. ,Banse ,R. ,and Kappas ,A.(1995).The intensity of facial expressions

Determined by underlying affective state and social situation. J. Pers. Soc. Psychol.

69, 280–288.doi:10.1037/0022-3514.69.2.280

Levenson ,R.W.(2014).The autonomic nervous system and emotion. Emot. Rev. 6,

100–112. doi:10.1177/1754073913512003