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微表情

フラッシュのように一瞬で表れては消え去る微妙な表情、微表情。このブログでは、微表情、表情、顔を始めとした非言語コミュニケーションの研究や実例から「空気を読む」を科学します、「空気」に色をつけていきます。

感覚に名前をつけてみる

 

私たちは、なんとなく場の空気を読み、なんとなく相手の気持ちを察し、なんとなくその場にあった行動を日々取っています。特別な訓練など受けなくても、人と人とのコミュニケーションは以上のように「なんとなく」成立します。一方、的確に場の空気を読み、的確に相手の気持ちを察し、その場に適切な行動を取る能力に非常に長けた人がいます。

 

 そんな人を見ると自分もあんな風になりたいな、などと思うかもしれません。でもそうなるための勉強をしたり、訓練を受けたり、わざわざセミナーに参加するのはちょっと…という方もいらっしゃると思います。

 

そんな方に朗報です!

 

表情の種類を知り、それを意識しておくだけで、相手の気持ちを察する能力をグンっと上げることが出来るかも!知れません。

 

実験参加者に様々な表情の写真を見てもらい、それがどんな表情をしているか2つの方法で分類してもらいます。まず、参加者に、それらの写真に写る人物がどんな表情をしているか自由に回答してもらいます。次に、参加者に様々な表情の名称が書いてあるラベルを配り、各々の表情写真にそれらのラベルから選んで貼ってもらいます。前者の方法を、自由回答方式、後者の方法を、選択式と呼んでおきます。表1が実験結果です。

 

表1 表情写真判定の正解率

表情

自由回答方式(正解率)

選択式(正解率)

幸福

94

99

驚き

91

94

悲しみ

80

81

恐れ

76

73

怒り

63

42

嫌悪

41

58

32

66

はずかしさ

30

48

共感

7

39

軽蔑

3

81

※表中の数字の単位は%です。

 

表1より自由選択式と選択式の正解率を比べると、あらかじめ選択肢が与えられている方がほとんどの場合において正確に表情を分類出来るということがわかります。

 

この研究を見ると、表情の種類に何があるかを知っておくだけで、「なんとなく」の段階を超えて、より正確に相手の表情を見つめることが出来、空気を読む能力を高められる可能性を感じます。

 

「知識は行動への第一歩」と言われますが、そんなことを思わせてくれるような研究だと思います。

 

 

清水建二

参考文献

Widen, S.C., Christy, A. M., Hewett, K., and Russell, J. A. (2011). Do proposed facial expressions of contempt, shame, embarrassment, and compassion communicate the predicted emotion? Cognition and Emotion, 25, p898-906