微表情

フラッシュのように一瞬で表れては消え去る微妙な表情、微表情。このブログでは、微表情、表情、顔を始めとした非言語コミュニケーションの研究や実例から「空気を読む」を科学します、「空気」に色をつけていきます。

微表情活用事情 in アメリカ

 

本日は、微表情がアメリカでどのように活用されているかについてご紹介したいと思います。

 

現在、ポールエクマン博士の会社とディビッド松本博士の会社が中心となり、様々な政府、医療、教育機関や私企業に微表情の知見及び検知トレーニングを提供しています。

 

それらの中でも微表情の知見は、保安に関わる業務で主に活用されています。取り調べ、諜報活動、空港警備、ビザ申請の面接、パスポート更新時の面接などです。

 

その理由は微表情の研究の起源にあります。微表情の研究は、自殺願望のある人のウソを検知できたことをきっかけにスタートしました。その後、犯罪に関わるウソを検知するための研究へと発展していきました。現在では、日常やビジネスコミュニケーション、テクノロジー分野において微表情がどのように活かせるかという観点からも研究が進んでいます。

 

パスポート申請の場面で報告されている微表情活用事例を一つご紹介します。

微表情のトレーニングの研修を受けた副領事からの報告です。

 

パスポート申請に訪れた海外在住のアメリカ人に対し、出身地に関わる質問をしたところ、そのアメリカ人の顔に「嫌悪」の微表情が表れました。その微表情を不審に思い、取り調べを進めたところ、そのパスポートは偽造されたもので、その人物は殺人や強盗で指名手配されている者だということが判明しました。微表情がきっかけで、その人物は逮捕されました。

 

微表情そのものからウソを検知することはできませんが、微表情は深堀質問や精査するべきポイントを教えてくれるのですね。

 

他にも、微表情トレーニングの研修を受けることで、正しく取り調べ対象者の行動や感情の意味解釈が出来るようになったり、スパイ活動を防止したり、空港で審査の順番待ちをしている人々の中にいる危険人物を特定したり出来るようになることが報告されています。

 

また近年では、大手私企業のマネージャー層たちを対象にトレーニングが実施されるようになってきたという報告も聞いています。

 

ところで、日本での微表情トレーニングの活用事例はどうでしょうか?

次回ご紹介したいと思います。

 

 

清水建二