本日は「プロローグ」「動き始めた離婚時計」で登場した「軽蔑」の表情についてご紹介したいと思います。
軽蔑
軽蔑 弱い軽蔑
※本画像の権利は、株式会社Indigo Blueに帰属します。無断転載を禁じます。
「軽蔑」表情の特徴は、「片方の口角を上げる」というものです。基本的な7感情の中で唯一左右非対称の表情です。
「軽蔑」とは、優越感、さげすみ、冷ややかな気持ち(冷笑)などを含む否定的な感情のことを言います。自己の経験と知識が他者より優っていると感じられたり、他者の不道徳な行為を目撃したりするときに表出されるのが「軽蔑」の表情です。「軽蔑」の微表情を表出する人は日常的に他者を評価する傾向にあり、他者に対し否定的な考えを抱きがちになります。「軽蔑」の表情は赤ちゃんには表れません。人が自己と他者とを区別し比較できる能力を身につけたときに初めて表れます。「軽蔑」を感じるには他者を評価し、批判する必要があるからです。
「軽蔑」を示す他のボディー・ランゲージとしては、自己の鼻先を見るように頭を後方に引き上げたり、その状態で頭を左右片方に傾けたり、「ふんっ」と鼻から抜けるパラ言語(=声の高さの変化、声質、音量、スピード)などがあります。
清水建二
参考文献
工藤力著(1999)『しぐさと表情の心理分析』福村出版
工藤力/ディビット・マツモト著(1996)『日本人の感情世界―ミステリアスな文化の謎を解く』誠信書房
P・エクマン/W・フリーセン著 工藤力訳編(1987)『表情分析入門』誠信書房
Ekman Paul, Friesen Wallace, Hager Joseph (2002) Facial action coding system: a technique for the measurement of facial movement. Consulting Psychologists Press, Palo Alto, CA
Michael Lewis(ed), Jeannette M. Haviland-Jones(ed), Lisa Feldman Barrett(ed). (2010) Handbook of Emotions, Guilford Pr; 3 Reprint
Patryk Wezowski, Kasai Wezowski. (2012). The Micro Expressions Book for Business, New Vision.