本日は、「驚き」の表情をご紹介したいと思います。3月26日紹介の「恐怖」の表情と比べてみて下さい。「驚き」表情と「恐怖」表情は似ていますよね。両者の表情の違いは何でしょうか。
その比較の前に、まずは強度の違う「驚き」表情のご紹介です。
驚きー目と口が全部開いた、あんぐり顔
驚き 弱い驚き
※本画像の権利は、株式会社空気を読むを科学する研究所に帰属します。無断転載を禁じます。
「驚き」表情を示す特徴は、「大きく開く目と口」です。典型的な顔の動きとしては、両眉を上げる+目を見開く+口を開ける、というものです。
「驚き」とは、驚嘆、当惑、瞠目などを含む感情のことを言います。「驚き」は予期していないことが起きたときに表れます。状況を把握するために目を見開き、十分に呼吸するために口を開けることでより多くの情報を得ようとします。進化生物学的には、「驚き」の表情は予期しないことが起きたことを示し、周りの仲間にその出来事に対する準備をさせるサインです。
「驚き」を示す他のボディー・ランゲージとしては、肩を引き上げる動作、深呼吸などの動作が挙げられます。
それでは、「驚き」表情と「恐怖」表情とを比べてみましょう。
ポイントは4つです。
驚き 恐怖
※本画像の権利は、株式会社空気を読むを科学する研究所に帰属します。無断転載を禁じます。
① 額…「驚き」では、しわが額全体に広がり、「恐怖」では、しわが額の中央だけに集中します。
② まゆ…「驚き」では、まゆの形が弧を描き、「恐怖」では、まゆの形がカギ型になります。
③ まぶた…「驚き」では、まぶたが弛緩し、「恐怖」では、まぶたに力が入ります。
④ 口…「驚き」では、口の周りの筋肉が弛緩し、「恐怖」では、口の周りの筋肉が緊張します。
まとめますと、「驚き」は弛緩、「恐怖」は緊張している印象が顔から伝わってくるかと思います。
清水建二
参考文献
工藤力著(1999)『しぐさと表情の心理分析』福村出版
工藤力/ディビット・マツモト著(1996)『日本人の感情世界―ミステリアスな文化の謎を解く』誠信書房
P・エクマン/W・フリーセン著 工藤力訳編(1987)『表情分析入門』誠信書房
Ekman Paul, Friesen Wallace, Hager Joseph (2002) Facial action coding system: a technique for the measurement of facial movement. Consulting Psychologists Press, Palo Alto, CA
Michael Lewis(ed), Jeannette M. Haviland-Jones(ed), Lisa Feldman Barrett(ed). (2010) Handbook of Emotions, Guilford Pr; 3 Reprint
Patryk Wezowski, Kasai Wezowski. (2012). The Micro Expressions Book for Business, New Vision.