微表情

フラッシュのように一瞬で表れては消え去る微妙な表情、微表情。このブログでは、微表情、表情、顔を始めとした非言語コミュニケーションの研究や実例から「空気を読む」を科学します、「空気」に色をつけていきます。

面接に役立つ言語・非言語観察法―応募プロセスを聞こう②

 

前回の続きです。前回ご紹介した質問法は、

 

面接官:「どのようなプロセスを経て、弊社に応募して頂けましたか?」

 

です。学生さんがどんな行動というコストを払って応募しに来てくれたのかを質問することで、学生さんの志望度合いと行動ポテンシャル度を推定しよう、というものでした。

 

「弊社の志望度はどの程度ですか?」という質問に学生さんは、完璧な回答を用意してきます。この質問は、お決まりなので、学生さんも予め答えを用意しておくことが出来ます。ウソの回答を用意することも出来ますし、行動ポテンシャル度についてもこの質問に引き続き、工夫した質問を重ねなければ、見極めるのも難しいでしょう。

 

しかし、御社を志望し、応募したプロセスを「見える化」せよ、という質問を予期してきた学生さんは、少ないハズです。したがって、用意されていない本当の応募に至った行動・行為プロセスが聞ける可能性が高いと考えられます。

 

このような質問法を反期待質問法と呼びます(Vrijら,2009)。元々はウソ検知のための質問法で、この質問法によって高い精度で真実を明らかにできることが知られています。(反期待質問法の質問作成技法についてはココで詳しく触れることは出来ません。知りたい方は、弊社のコンサルをどうぞ。)

 

言語・非言語ポイントは、空間・時間・五感に関する話題が含まれているか、身振り手振りがあるか、感情を抑制していないか、です。

 

例えば、友達と応募企業の研究や勉強会を開いたというのなら、どんな場所で、いつ、そしてどんな会話がなされたのか(第三者との会話が真実の場合には直接話法が使われる傾向があります。)、感情豊かに、身振りが用いられて語られているほど、その話は真実に近いと言えます。

 

ところで…

 

反期待質問と言いましたが、本当はココで公開した時点で、期待質問に変わってしまうのですが…。でも!ご安心!質問法のコンビネーションや作成法を工夫することで、効果的な反期待質問は、たくさん作れますので大丈夫です。またこれ以上、弊社作成の反期待質問法はブログでは公開しませんので、採用担当者の方、ご安心ください。学生さんも、私に聞かないように笑

 

ではまた。

 

 

清水建二

参考文献

Vrij, A., Leal, S., Granhag, P. A., Mann, S., Fisher, R. P., Hillman, J., et al. (2009). Outsmarting the liars: The benefit of asking unanticipated questions. Law and Human Behavior, 33, 159–166.