近年、表情の普遍性に関する論争が再燃しておりますね。どんな論点があるか、ここで詳しくは論じませんが、重要なことは、諸研究の方法論をよく理解し、何が論証でき、何が論証できていないのか、どこまで検証済みで、どこまで一般化可能なことを言っているのか、ちゃんと論文を読み、科学的知見を恣意的に利用してしまわないように心がけることが重要だと思います。是非、以下の動画をご覧ください。表情研究の大家、マツモト博士の意見です。
ここ日本において(米国もまぁ、そうなんですが)、適切に論文を読まず、吟味せず、恣意的に「この知見は科学的裏付けがある」や「科学的」という言葉を乱用する方が目立つように感じます。恣意的に科学を使うくらいなら、経験則に基づいて自己の主張を論じる方が、ずっと誠実だと思います。
権威者あるいはインフルエンサーによる科学的という言葉に踊らされないためには、自分で論文を読めるようにする、あるいは科学的思考法を獲得する(はたまた科学そのものを信じない)という方法しかないでしょう。
知の巨人たちの肩に乗り、世界を眺めよう。そうすれば、きっと自分なりの視点が獲得できる、そんなふうに思います。
清水