微表情

フラッシュのように一瞬で表れては消え去る微妙な表情、微表情。このブログでは、微表情、表情、顔を始めとした非言語コミュニケーションの研究や実例から「空気を読む」を科学します、「空気」に色をつけていきます。

表情観察・表情分析集中講座in千葉大学

 

7月15日(日)及び8月5日(日)千葉大学養護教諭志望の学生さんを対象に表情観察・表情分析講座を終日にわたり集中的に行わせて頂きました。

 

テーマは、

 

大規模自然災害発生時の対応に備えた養護教諭志望学生対象教育プログラム

表情観察入門講座

ーどのように感情を察し、どのように接するかー

 

です。

 

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7月15日講義:真剣に講義を聞いてくれる学生さんたち(写真By大学院生Iさん)

 

本集中講座は、次のような経緯のもと始まりました。「大規模自然災害発生時の対応に備えた養護教諭志望学生対象教育プログラム」研修会実施要項から引用させて頂きます。

 

健康観察は養護教諭にとって、非常に大切な職務の一つである。東日本大震災発災後、主催者が当時勤務していた高校で、健康観察と共に健康調査(自記式アンケート調査)を行った。健康観察で支援が必要であると判断した生徒であっても、自記式の健康調査の結果が、必ずしも「要支援」であるとは限らず、健康観察の重要性を再認識した。東日本大震災等大きな災害の発災時や、いじめ等の侵害行為を受けている場合、子ども達は自分の気持ちを表出するとは限らず、健康観察が非常に大切になる。また、養護教諭志望学生は自らの健康観察のスキルについて少なからず不安を感じているという現状も明らかになった。

現在、健康観察のスキルを獲得するための教育内容の検討や研究の蓄積はほとんど行われていない。そこで、養護教諭養成段階での災害対応教育プログラム開発の一環として、健康観察のスキルを獲得するための研修プログラム開発を目的とし、本研修会を実施する。

 

という経緯の元、千葉大学の先生と共同研究がスタートしました。本集中講座は、共同研究の一環として位置づけられております。

 

7月及び8月に扱わせて頂いたコンテンツは次の通りです。

 

1. 感情はどこからどのように現れるのか?

➡表情を観察する重要性について講義させて頂きました。

 

2.「情」か「理」か?それが問題ー顔のシグナル色々

➡表情筋の動きには、感情だけでなく様々な意味があり得ることを講義させて頂きました。時折、ロールプレイングなどを入れつつ、体感で感じ取ってもらうコーナーを入れつつ。

 

 

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8月5日講義:微妙な表情の動きに意味があることを講義しているところです(写真By大学院生Iさん)

 

3.いつでも、どこでも、誰にでも表れる万国共通の7つの表情

➡表情は文化によって異なる?もちろん、表情の文化差はありますが、本講座では表情の共通項すなわち、性別・年齢・民族に関わらず共通に生じる万国共通の表情について講義させて頂きました。理論だけわかっても使えるようにならないと意味がないため、動画を用いた微表情検知トレーニング60問を行いました。

 

4.表情観察から感情アプローチへ

~子どもの表情と感情をテーマに~

➡震災を経験した子どもの感情と表情を題材に、科学的な表情観察・表情分析とK先生の経験則から得られた名人芸とで観察の観点及びアプローチ法がどのように類似し、異なるか、学生さんとともに考えました。

 

5.感情介入の方法ー対人「問題」のある子の見えてる世界ー

➡本コンテンツは時間切れになってしまいました。10月の集中講座に持ち越しです。

 

真剣なまなざしで講義に一日中、参加してくれた学生さん並びにゲストの先生方、ありがとうございました。皆さまの研究や日常生活、将来・現在の職務に、本講義の内容が一つでも二つでも活かされることを願っております。

 

また本集中講座開講にあたり、様々なお膳立てをして頂いております千葉大学関係者の皆さま、ありがとうございます。

 

10月の集中講座でもどうぞよろしくお願いいたします。10月の講座では、7月&8月の講座の復習及び微表情検知トレーニング、そして子どものウソをメインテーマに、講義させて頂くことを予定しています。

 

それではまた10月にお会い出来ますことを心待ちにさせて頂いております。

 

 

清水建二