微表情

フラッシュのように一瞬で表れては消え去る微妙な表情、微表情。このブログでは、微表情、表情、顔を始めとした非言語コミュニケーションの研究や実例から「空気を読む」を科学します、「空気」に色をつけていきます。

面接テクニック・シーズン1-③IIE面接テクニックの構造

 

本日はIIEテクニックの構造の大枠について紹介したいと思います。IIEでは、面接者が面接場面で不正確な情報を得てしまう総量を最小化させ、正確な情報を取得する総量を最大化させるための6つの大枠があります。それらはアルファベット順に次の6つのキーワードで示されます。

 

・Awareness―意識

・Baseline―ベースライン

・Change―変化

・Discrepancies―不整合

・Engagement―関わり

・Follow-up―フォロー

 

それぞれの説明の前に簡単に内容を紹介します。

 

Awareness―意識とは、面接者自身の態度に向ける意識のことです。自分が被面接者(面接を受けている人)にどんな態度で接しているか、被面接者をどう見ているか、被面接者にどう見られているかに注意せよ、ということです。

 

Baseline―ベースラインとは、被面接者のC以下を正しく観察するために、面接を受けている者のクセをはじめとする普通の行動パターンを把握せよ、ということです。

 

Change―変化とは、被面接者のベースラインから外れる行動に注意し、その原因を質問から明らかにせよ、ということです。

 

Discrepancies―不整合とは、被面接者の言語間や言語と非言語との間にあるズレに注意し、その原因を質問から明らかにせよ、ということです。

 

Engagement―関わりとは、意識より動的な態度のことです。どのように被面接者の話を聞き、どのように観察し、どのように質問しているか、被面接者との関係を良好に保つようにせよ、ということです。

 

Follow-up―フォローとは、被面接者から得られた証言内容を他の証言や物的証拠と照らし合わせ、その妥当性を確認する、ということです。

 

このA~Fの流れを知ることで、表情やボディーランゲージ観察法や戦略的質問法を効果的に活かすことができます。例えば、Bの段階ではオープン質問を多用し、C・Dでは観察法と応答に応じた質問法を使う、と言った要領です。

 

次回以降においてそれぞれの内容についてもう少し詳しく紹介していきたいと思います。

 

 

清水建二

参考文献

Frank, M. G., Yarbrough, J. D., & Ekman, P. (2006). Investigative interviewing and the detection of deception. In T. Williamson (Eds.), Investigative interviewing: Rights, research and regulation (pp. 229-255). Cullompton, Devon: Willan.