私には友人や知人の家やオフィスにお邪魔する機会があると必ずしてしまうことがあります。それは、本棚をみる、ということです。本棚の中をみると、その人の思考がどのように構成されているかについて、その一端がわかるような気がするからです。
人様の本棚の中を覗いて一方的に想いを巡らしているのも、なんか不公平な感じがしますので、私、清水建二の本棚もご紹介しようと思います。
基本的に私の本棚は心理学や非言語コミュニケーション系の書籍、論文で埋め尽くされているのですが、本シリーズでは本棚の中から適当に選んだ書籍を心理学に限らず一言コメントの形を通じてご紹介したいと思います。
一冊一冊の書籍が私の脳を作り上げてくれています。
本日ご紹介する書籍はこの2冊です。
- 作者: フィリップ・ヒューストン,マイケル・フロイド,スーザン・カルニセロ,ピーター・ロマリー,ドン・テナント
- 出版社/メーカー: 創元社
- 発売日: 2015/08/01
- メディア: Kindle版
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- 作者: フィリップ・ヒューストン,マイケル・フロイド,スーザン・カルニセロ,ドン・テナント
- 出版社/メーカー: 創元社
- 発売日: 2015/02/20
- メディア: Kindle版
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この書籍の素晴らしい点は、言葉のやりとりのプロセスが割と長めに記載されているところです。テクニックを紹介する書籍の大部分は、理論などの解説ばかりでそれをどう使うか、どう使われるのかが具体的に説明されていません。しかし、本書はウソを見抜くテクニックの解説だけでなく、実際の場面でどう使われるかについて生の言葉のやり取りを通じて説明してくれています。
残念なところは、2つあります。本当に肝心な「ウソを見抜くその瞬間」のような部分を意図的かどうかわかりませんが、省いてしまっているところが散見されます。もう一つは微表情については否定的な見解を取っているところです。
注意すべきところは、1つあります。それは、ウソを見抜くテクニックに関して科学的に妥当性が保証されているものとされていないものが混在しているところです。ただどのテクニックも著者のCIAのエージェントが長年様々な現場で用いて効果を発揮した方法のようですので、科学的には解明されていなくても効果的な方法なのかも知れません。
科学的に解明されているウソを見抜くテクニックをお知りになりたい方は、次の書籍がオススメです。
嘘と欺瞞の心理学 対人関係から犯罪捜査まで 虚偽検出に関する真実
- 作者: アルダートヴレイ,太幡直也,佐藤拓,菊地史倫
- 出版社/メーカー: 福村出版
- 発売日: 2016/07/30
- メディア: 単行本
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日本語で入手できる最新かつ最高峰のウソ検知に関する心理学が解説されています。著者のヴレイ教授はウソ検知研究の権威で、示唆に富んだ多くの研究を世に輩出されています。ただ本書は専門家向けの書籍かつボリュームがかなりあるため読むのが大変です。またハウツー的に解説されているわけではないため、実用するには自分なりの工夫が必要です。 この書籍に書かれていることと先の2冊を照らし合わせれば良いかも知れません。
それではまた次回。
清水建二