微表情

フラッシュのように一瞬で表れては消え去る微妙な表情、微表情。このブログでは、微表情、表情、顔を始めとした非言語コミュニケーションの研究や実例から「空気を読む」を科学します、「空気」に色をつけていきます。

感情マーケティングの秘密―声編

 

たまには表情以外のお話でも書かせて頂こうと思います。

 

表情、ボディーランゲージ、声といった様々なチャンネルから人の感情は発せられます。本日はその中でも声に焦点を当て、声が人の感情にどのような影響を与えるかについて紹介しようと思います。

 

・音量

音量の大きい声は、人の注意をひくことができます。

 

・ピッチ

低いピッチは、能力と信憑性が高い印象を人に与えます。

高いピッチは、神経質で落ち着きのない印象を人に与えます。

話しの中でピッチがバラエティ―に富んでいると、活動的で情熱のある印象を人に与えます。

 

・スピード

少し早いくらいの話しのスピードは、能力と説得力が高い印象と好感を人に与えます。ある研究によれば通常の話すスピードより20%早く話すと、先の印象をより効果的に人に与えることができるそうです。

 

・空白の時間

話と話の間に空白の時間、無言の時間があると、話にリズムを持たせることができ、好奇心の高まりを人に与えることができることもあります。

 

ここまでは声のお話しでした。聞いている人にどんな印象を与えたいかに応じて、声の使い方を変えると効果的だということですね。啖呵売りやテレビ通販などを見ていていると、表情・ボディーランゲージもそうですが、声の使い方が巧ですよね。続いては、音楽のお話し。

 

・音楽

声に関連する事柄として音楽の効果も調査されています。興味深い事例では、フランス産のラベルが貼られたワインとドイツ産のラベルが貼られたワインがあり、中身は同質のものが用意されています。店内にフランスの曲が流れているとフランス産(ラベルのみ)のワインの売り上げが76%を占め、ドイツの曲が流れているとドイツ産(ラベルのみ)のワインの売り上げが73%を占めるという結果が見出されました。興味深いことに、ワインを購入したお客さんの85%は曲の効果に無自覚であったということです。

 

声の及ぼす印象変化、面白いですね。声以外にも、表情やボディーランゲージなど非言語がもたらす効果がマーケティングにどう活用できるかについて様々なコンサルティングがアメリカ(日本でも少し)では繰り広げられています。

 

本日ご紹介した声の話や感情マーケティングに興味のある方は、ぜひ参考文献を読んでみて下さい。

 

 

清水建二

参考文献

感情マーケティングの理論と戦略

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感情マーケティング―感情と理性の消費者行動

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