本日は久々に赤ちゃんネタです。
ドゥシェンヌ・スマイルとは、口角の引き上げと、目の周りの筋肉の収縮が共に起きる場合の笑顔のことを言います。目尻にしわが出来るのが特徴です。さて、赤ちゃんももちろんドゥシェンヌ・スマイルをします。ただちょっと私たち大人のそれとは違うのです。本日はそんな生後1歳前後の赤ちゃんの笑顔についての研究をご紹介します(Messinger, Dickson, & Fogel, 1999)。
①非ドゥシェンヌ・スマイルが現れ、次にドゥシェンヌ・スマイルが現れる。
➡非ドゥシェンヌ・スマイルは作り笑いであることもありますが、ポジティブなムードのときにも、顔に現れます。赤ちゃんの顔にドゥシェンヌ・スマイルが現れる前に、非ドゥシェンヌ・スマイルが現れるのは、赤ちゃんは、ある刺激を、楽しい・心地良いと感じるのに、2つの段階を踏んでいるのかも知れない、と考えられています。
②ドゥシェンヌ・スマイルは、非ドゥシェンヌ・スマイルよりも、倍の長さ継続して現れる。
➡楽しいことが起きたとき、赤ちゃんのポジティブ感は、ポジティブムードからポジティブ感情へと高まります。ポジティブムードのときは、非ドシェンヌ・スマイル、ポジティブ感情のときは、ドゥシェンヌ・スマイルです。ポジティブ感が2ステップを踏み、最高潮に向かっていくと考えれば、ドゥシェンヌ・スマイルの継続時間が長くなるのもうなずけます。
大人の場合は逆で、大人はドゥシェンヌ・スマイルよりも非ドゥシェンヌ・スマイルの方が長く顔に現れる傾向があります。
③笑顔のバリュエーションは年齢と共に増加する。
➡認知力の増加に伴い、表情にも変化が起きるのだと考えられます。
④半分以上のドゥシェンヌ・スマイルは、口が開いた状態で現れる。
➡赤ちゃんは豪快に笑いますよね。アレです。
どうでしょうか?
赤ちゃんの表情って面白いですよね。
私、最近、悩んでいるんですよね。
赤ちゃんの表情分析法をマスターするか、犬の表情にするか、猫の表情にするか…
私は認定FACSコーダーなので、大人の表情ならば客観的に分析できるのですが、赤ちゃんの表情は大人とは異なるため正確には分析できないのですね。分析するには赤ちゃん用のマニュアルを習得する必要があるのです。その名も、Baby FACS!実に面白そうです。ちなみに犬用のはDog FACSで猫用はCat FACSと言います。
う~ん、ビジネス的にどれがよいか…じゃなかった、自分の想いはどっちに向くか?でした。
清水建二
参考文献
Messinger, D.S., Fogel, A., & Dickson, K.L. (1999). What’s in a smile? Developmental Psychology, 35 (3), 701–708.