微表情

フラッシュのように一瞬で表れては消え去る微妙な表情、微表情。このブログでは、微表情、表情、顔を始めとした非言語コミュニケーションの研究や実例から「空気を読む」を科学します、「空気」に色をつけていきます。

モナリザの微笑のなぞー表情解釈編

 

本日は、モナリザの微笑のなぞー表情解釈編です。

前回、モナリザの表情には、幸福と嫌悪が読みとれる、という分析をしました。

 

なぜでしょうか?

 

モナリザのモデルをめぐる議論の中で、モナリザダヴィンチ自身ではないか、という説があります。この説をサポートする証拠の一つとして、モナリザダヴィンチの肖像画を重ね合わせると、二つの顔が、口角の一部を除いてぴったりと重なり合うことが知られています。

 

モナリザダヴィンチだとすると、「彼女」の表情の解釈として次のような推測が出来ます。

 

同性愛者だったとされるダヴィンチは、弟子のサライ(男)を溺愛していたと言われています。しかし、サライに自分の想いは届かない。それでは、サライに愛してもらえる姿に、絵の中だけででもサライに愛してもらえる人になろう…。

 

一見、柔らかな微笑みを見せる美しい女性、モナリザ

モナリザの微笑の中に込められた嫌悪は、ダヴィンチが自分の想いを絵に込めなくては、絵にしなくてはサライに愛してもらえなかったことに対するもどかしさを表わす自己嫌悪なのかも知れません。

 

おまけ

ダヴィンチの死後、モナリザは、サライに譲渡されます。

モナリザの目の中には、ダヴィンチとサライのイニシャルがあると言われています…ルーブル美術館はそれは単なる「キズ」だと否定していますが。

 

 

清水建二