微表情

フラッシュのように一瞬で表れては消え去る微妙な表情、微表情。このブログでは、微表情、表情、顔を始めとした非言語コミュニケーションの研究や実例から「空気を読む」を科学します、「空気」に色をつけていきます。

なんだ、その目は!

 

私たちは他者の目の動きから様々なメッセージを読み解きます。

本日は、目の動きを、瞬き、まぶたを閉じる、ウィンクの3つに分け、その意味する代表的なところをまとめてみます。

 

①瞬き

私たちは頭を使う作業をしているとき、瞬きの量が減ります。例えば、嘘つきの目の動きを観察した実験によると、嘘つきは嘘をついている間は瞬きの量を減少させ、嘘をつき終わると瞬きの量を増加させることがわかりました。この場合、瞬きの量の低下は、認知的負担の増加という説明以外にも、嘘つきがダマしている相手の様子をうかがうために、瞬きをせず、ジィーと相手を見つめているということもあります。

 

驚いているとき、瞬きの量が増加します。

 

何らかの心理的な働きがあるとき、瞬きの量は変化します。

 

・単に目が乾いているだけのときも、瞬きは行われます。

 

②まぶたを閉じる

物事を考えているとき、まぶたが閉じられます。これは、まぶたを閉じることで、目に入って来る情報をシャットアウトし、思考に集中することが出来るからです。ちなみに目線を上や下に動かす動きも同様です。正面に目を向けているよりは、天井や床に目を向けた方が、目に余計な情報、刺激を取り入れることなく、考えに集中出来るということです。いつかのブログでも書きましたが、日本人は物事を考えるとき、目線を下に持っていく傾向がある、ということでした。目線が下に向いているからと言って何かやましいわけではないのです。

 

・単に眠いだけのときも、まぶたは閉じられます。

 

ウィンク

・ウィンクはジェスチャーの一つですので、文化によりその解釈に幅が出てきます。大抵は「共謀」「策略」「はかりごと」という意味で解釈されることが多いようです。

 

 

「なんだ、その目は!」と怒ってる先生が生徒に向かって言うとき、それは目そのものよりも、まぶたと眉毛の動きの影響が強いのだと思います。だから「なんだ、その眉毛は!」の方が正確のような気がします。でもこれだと眉毛を剃ったり、染めている生徒に注意している先生になってしまう感じがします。

 

最後はどうでもよい話です。

 

 

清水建二

参考文献

Laura Vincze, Isabella Poggi. (2011). Communicative Functions of Eye Closing Behaviours, Analysis of Verbal and Nonverbal Communication and Enactment. The Processing Issues, Lecture Notes in Computer Science Volume 6800, pp 393-405.