本日は、書籍の紹介をさせて頂きたいと思います。本日紹介させて頂く本は、
ポールエクマン(著)菅靖彦(訳)『子どもはなぜ嘘をつくのか』河出書房新社
です。
「嘘を見抜く」系の書籍は書店の心理学コーナーに足を運べば、すぐに見つけることが出来ると思います。私は十年以上特定の本屋さんに通っていますが、嘘に関する本は常にあり、嘘に関する新しい書籍が日々出版され続けているのを目にしています。「嘘探知のコツを知りたい」という関心の高さが伺えます。
書かれている内容のほとんどが、大人がつく嘘の特徴やその見抜き方です。そんな中、子どもの嘘に焦点を当てた本が、本書、『子どもはなぜ嘘をつくのか』です。
本書は、著者のポールエクマン博士が自分の子どもに嘘をつかれ、そのショックから生み出されたものです。ポールエクマン博士は、表情研究の第一人者で、嘘探知に関するスペシャリストです。FBIやCIAのアドバイザーを務めるくらいの自他ともに認める実力者なのですが、自分の息子に騙されてしまうのです。
そこで、
子どもはなぜ嘘をつくのだろうか?
子どもの嘘は大人の嘘と何が違うのだろうか?
子どもはいつから嘘をつくのだろうか?
子どもの嘘と空想を区別するにはどうすればよいのだろうか?
等の疑問をもとに、エクマン博士ご自身の研究や子どもの嘘に関する科学的知見を本書にまとめ上げました。
特に「年齢とともに変化する嘘の性質」や「嘘と知能指数の関係―頭の良い子が嘘をつくのか、そうでないのかー」や「頻繁に嘘をつく子どもは将来犯罪者になりやすいのか」、「嘘つきは環境か遺伝か」といったトピックは、子どもを持つ親御さんや教育関係者の方々に参考になるのではないかと考えます。
子どもの成長を見守っていくうえで、自信を持ってオススメ出来る一冊です。
清水建二
参考文献
ポールエクマン(著)菅靖彦(訳)『子どもはなぜ嘘をつくのか』河出書房新社