不慣れな業務に頭がフラフラし、多くの人に注目され胃がキリキリし、プレゼンを褒められ目頭が熱くなり、突然の雷に肩がすくみ、次のプロジェクトに向け胸が膨み、B級ホラー映画を観てドキドキし、論文を読んで科学の奏でるハーモニーに魂が鼓舞する…
このような個々人が感じる感情―憂鬱、不安、誇り、驚き、幸福、恐怖…etc―は、誰もが同じような身体感覚として同じように感じとっているのでしょうか。
結論を先に言いますと、誰もが同じような身体感覚として、様々な感情によって引き起こされる様々な感覚を経験しているようです。
フィンランド、スウェーデン、台湾の方々700人超を対象にした実証研究をご紹介します。
感情が引き起こされるような言葉、物語、映画、表情を見た実験参加者らは、用意された身体のシルエットの図に、身体のどこが活発になったか、停滞したかを色づけします。
その結果、以下の通りになりました。
民族、文化問わず、同じ感情に対して同じ身体の感覚を感じているのですね。
民族、文化問わず、というところが感動的です。
やはり私たち人間は同じなのですね。
私たちは、きっともっとわかりあえる、そんな風に思わせてくれる研究です。
清水建二
参考文献
Lauri Nummenmaa, Enrico Glerean, Riitta Hari, and Jari K. Hietanen
Bodily maps of emotions PNAS 2014 111 (2) 646-651; published ahead of print December 30, 2013