先週の水曜(4月23日)に出題しました「微表情読みとりトレーニング問題1」の解説を本日はさせて頂きたいと思います。
「悲しみ」の眉 「中立」の眉
※本画像の権利は、株式会社空気を読むを科学する研究所に帰属します。無断転載を禁じます。
動画の1.69秒くらいに起こる眉の動きに注目してみて下さい。眉の内側だけが一瞬だけ引き上げられるのに気付かれるかと思います(一応比較のために静止画像を用意しましたが、写真よりも動画の方がわかりやすいと思います)。これは「悲しみ」の感情を表す微表情です。
それでは、微表情を正しく読みとった後にどんなことができるのでしょうか?
微表情という現象は、感情・表情が抑制された痕跡です。微表情が出るということは、「感情をストレートに顔に出せない彼女なりの理由」があるということです。
これがポイントとなります。仮にここが採用面接の場であるならば、彼女は「効率的な努力のあり方は好ましくない」という意見を述べているので、
「効率・非効率に関わらず、努力という行為自体が好ましいとお考えですか?」
「効率的な努力のあり方が好ましくないとする理由を教えて下さい。」
「どんな努力のあり方が好ましいとお考えですか?」
などという質問が考えられます。
微表情は「足踏み」ポイントなのです。能動的にスルーすべきではないのです。微表情を表した当人の心の中ではまさに「感情が揺さぶられる事態」が起こっているのです。それだけ当人にとっては重要な発言をしていることを意味します。
ですので、微表情をヒントに質問ポイントを見つけ、質問を重ねることが重要だと考えます。そうすることによって相手の真意に近づくことができるのです。
このような微表情が、日々、私たち自身の顔、そして私たちの目の前にいる人々の顔にフラッシュのごとく表れては消え去っているのです。
顔というものは身近にあるのに、正確に読みとるのは意外に難しいですよね。
「いや、それは、微表情だからでしょ。」
というご意見、ごもっともです。でも、普通の表情(マクロエクスプレッション)も表情によっては正確に読みとるのは意外に難しいのです。
「いや、いや、簡単…です…かね」
次回、日本人の表情読解力についての研究をご紹介させて頂きたいと思います。
清水建二