微表情

フラッシュのように一瞬で表れては消え去る微妙な表情、微表情。このブログでは、微表情、表情、顔を始めとした非言語コミュニケーションの研究や実例から「空気を読む」を科学します、「空気」に色をつけていきます。

よくある質問その1

今回は私がこれまで行ってきたセミナーの中でよく聞かれる質問をご紹介したいと思います。

 

Q:表情は文化によって違うので、文化ごとに学ぶ必要があるのではないでしょうか? 

 

A必ずしも必要というわけではありません。確かに民族・文化固有の表情は存在します。しかし、「幸福」「軽蔑」「嫌悪」「怒り」「悲しみ」「恐怖」「驚き」の基本7感情は万国共通の表情として誰の顔にも表れます。ジャングルの奥地に暮らす部族や盲目の人々、そして赤ちゃんにも上記の表情が共通して表れることがわかっています。したがって一つの民族を参考に上記の7つの表情を学べば、全ての民族に共通したコミュニケーション・ツールを獲得することができます。

 

 

Q:日本人は表情を顔に出さないと思います。表情読みとりトレーニングをすることに意味はあるのでしょうか? 

 

Aあります。私たち日本人も世界中の人々と共通した7つの表情を顔に表します。ただ、その程度が弱い人や、否定的な感情を肯定的な表情で覆い隠すのに長けている人が多い傾向にあります。そんなこともあり「日本人は表情を顔に出さない」と一般的に思われているのだと考えられます。しかし、日本人の微表情をよくよく観察すると、弱い微表情だけでなく、かなり程度の強い、いわば欧米の人のようなはっきりとした微表情を顔に出していることがわかります。したがって表情の読みとりトレーニングをすることに十分な意味があるのです。

 

 

Q:表情を意図的に作ることは出来ますか?

 

A意図的に表情を作ることは可能ですが、簡単ではない場合もあります。表情筋は筋肉ですので、鍛えることによって意図的に作れる表情の種類を増やすことができます。とはいっても、意図的に作る表情は左右の非対称度が強くなったり、タイミングが不自然になる場合が多々あります。また、意図的に動かすことが難しい筋肉も存在します。例えば、眉の内側の筋肉だけを上げて眉をハの字にすることができますでしょうか?これは「悲しみ」の眉です。この表情を作ろうとすると大抵の場合、眉の外側の筋肉も上がってしまい「驚き」の眉になってしまいます。

 

 

Q:どのくらいの期間トレーニングをすれば微表情を読みとれるようになりますか?

 

A1時間のトレーニングで読みとり能力はかなり向上することが実証されています。しかもその能力はトレーニング後に特に何もしなくても2週間は持続することがわかっています。

 

 

まだまだ様々なご質問を頂いておりますので、またの機会にお答えしたいと思います。

 

 

清水建二