今年も「清水ゼミ」の時期となりました。
2025年10月25日(土)13:00 より「清水ゼミ」を開講いたします。
■2025年10月期のテーマ
2025年10月期は、「定説を疑う」がテーマです。定説は、一般常識から、レビュー論文・メタアナリシスによって得られた知見まで幅広くあり、妥当性も様々です。「怒りが暴力を引き起こす」「マニピュレーターは嘘のサインではない」「嘘をつく者は供述に矛盾が生じる」「嫌悪表情は対人印象にマイナスを与える」「感情識別能力は生得的なものである」「表情は万国共通である」…etc.これら定説は、本当に定説なのでしょうか。どんな条件によって崩れ、どんな条件が定説を揺るがぬものとするのでしょうか。各Lessonの課題論文、参考文献、動画分析、ロールプレイングを通じて考え、実践力を養成します。
■カリキュラム
Lesson1 【危険表情研究】ANCODI仮説-集団暴力の誘引となる指導者の表情
内容:怒り表情は、表出者による暴力行動の予測因子として働きます。一方、他者に怒り表情を向けられた人々は、その表情に影響を受け、暴力的に振舞うようになるのでしょうか。指導者の表情が集団暴力の誘引となり得ることを検証した論文を題材に学びます。また、Humintell社が提供するプログラムMatsumotoメソッド™「Dangerous Demeanor Detector Advanced」を用いて、危険表情に対する感性トレーニングも行います。
課題論文:Matsumoto, D., Frank, M. G., & Hwang, H. C. (2015). The Role of Intergroup Emotions in Political Violence. Current Directions in Psychological Science, 24(5), 369–373. https://doi.org/10.1177/0963721415595023
Lesson2 【虚偽検出研究】中国人サンプルを用いた模擬犯罪実験と非言語行動の関係
内容:メタ分析の知見によれば、マニピュレーターは嘘のサインではありません。しかし、個別論文を精査すると、条件によっては、マニピュレーターが嘘に伴い生じることがあります。どんな条件でしょうか。課題論文と動画分析を通じて学びます。
課題論文:Li H, Song H, Li M and Li H (2024) Nonverbal cues to deception: insights from a mock crime scenario in a Chinese sample. Front. Psychol. 15:1331653. doi: 10.3389/fpsyg.2024.1331653
Lesson3 【虚偽検出研究】真実体験者の図解と虚偽体験者の図解はどう異なるか?
内容:「嘘つきは供述に矛盾が生じる」と言われます。本当にそうでしょうか?正直者と嘘つきが採る「tell it all」「keep it simple」「staying close to the truth」という戦略、図解質問に対する回答を課題論文、動画分析、ロールプレイングを通じて学びます。
課題論文:Vrij, A., Mann, S., Leal, S., Fisher, R. P., & Deeb, H. (2020). Sketching while narrating as a tool to detect deceit. Applied Cognitive Psychology, 34(3), 628–642. https://doi.org/10.1002/acp.3646
Lesson4 【対人印象研究】嫌悪はネガティブ?-嫌悪表情と微表情がもたらす対人印象の違い
内容:表情信号理論では、明瞭な表情が信頼性や好感度を高めるとされています。一方、感情過一般化仮説では、ネガティブな表情が拡大解釈を生み、信頼性の低下や拒絶を招くと主張されています。それでは、明瞭な嫌悪表情や嫌悪微表情は、対人印象にどのような影響を及ぼすのでしょうか。課題論文、動画分析を通じて学びます。
課題論文:Glowacki, Z.R., Frank, M.G., Xu, W. et al. Do we like honest signal givers? Macro and micro expressions of disgust. Curr Psychol (2025). https://doi.org/10.1007/s12144-025-08074-6
Lesson5 【交渉研究】感情認識トレーニングは交渉プロセスにどんな影響を与えるか?
内容:従来、感情認識能力の高さと社会適応性や仕事における成果には関連があることが示されてきました。しかし、トレーニングによってこうした特性や成果を得ることは出来るのでしょうか。課題論文と交渉ロールプレイングを通じて学びます。
課題論文:Schlegel, K. (2021). The Effects of Emotion Recognition Training on Interpersonal Effectiveness. Basic and Applied Social Psychology, 43(2), 141–153. https://doi.org/10.1080/01973533.2021.1883021
Lesson6 【情動言論】基本表情は存在するか?
内容:近年、バレットを中心とした構成主義理論派から、エクマンの基本情動理論の妥当性について疑問が投げかけられています。エクマンが提唱するように表情は万国共通なのでしょうか。また、バレットの主張の妥当性はどの程度なのでしょうか。関連論文や書籍を読み、ディスカッションを通じて考察します。
課題論文:特定の課題論文はありません。以下に参考文献を挙げますが、必ず読んで参加しなくてはいけないというわけではございません。こちらが指定する事前課題に取り組んで来て下さい。
参考文献:リサ・フェルドマン・バレット(2019)『情動はこうしてつくられる―脳の隠れた働きと構成主義的情動理論』紀伊國屋書店(高橋洋訳)
植野仙経(編)、佐藤弥(編)、鈴木貴之(編)、村井俊哉(編)(2025)『感情がつくられるものだとしたら 世界はどうなるのか バレットの構成主義的情動理論をめぐる、さまざまな領域からの考察』金芳堂
知識も実践力も兼ね備えた表情分析のプロフェッショナル・専門家を目指される方、学びを継続されたい方は、是非!清水ゼミにお越し下さい。積極的なご参加をお待ちしております。
お申込み・詳細はこちらのURLよりお願いします。
https://peatix.com/event/4519309/view
清水建二