微表情

フラッシュのように一瞬で表れては消え去る微妙な表情、微表情。このブログでは、微表情、表情、顔を始めとした非言語コミュニケーションの研究や実例から「空気を読む」を科学します、「空気」に色をつけていきます。

額のしわから恐怖・悲しみ・驚きを区別するー解答編

 

本日は前回の問題の解答編です。

もう一度問題を掲載します。

どれが恐怖、悲しみ、驚きを表している表情でしょうか?

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※本画像の権利は、株式会社空気を読むを科学する研究所に帰属します。無断転載を禁じます。

 

正解は、

A列…全て驚き

B列…全て恐怖

C列…全て悲しみ

です。

 

理論的な解説及び個人差による違いの解説は次の通りです。

 

驚き…眉全体が引き上げられることにより、額全体に水平のしわが生じます。A1・A3の画像を観れば明らかです。A2はややしわが確認しづらいですが、額の外側までしわが生じているのがわかります。しわの生じ方は、驚きの強度や個人差によって変わります。

 

恐怖…眉全体が引き上げられると同時に眉が中央に引き寄せられます。これらの動きによって、額中央部に波状のしわ及び眉間には縦もしくは45度のしわが生じます。B1・B2の画像が明らかです。驚きと違い額の外側のしわが消滅していることがわかります。B3はややわかりづらいですが、よく観察すればわかります(専門的に言えば、AU1+2+4がコード化できるので、恐怖に関連する感情が生じていると言えます)。あるいは集団差ではなく個人差で観る、つまりB3をA3及びC3と比較すると違いが際立つと思います。

 

悲しみ…眉の内側が引き上げられます。悲しみが強い場合、眉が中央に引き寄せられます。これらの動きによって、額に山型のしわ及び眉間には縦もしくは45度のしわが生じます。C列の全ての画像で眉間のしわが確認できます。山型のしわが明らかなのは、C3です。山型のしわがC1にも確認できますが、筋肉の動きが弱く見えづらい状態です。C2に関しては山型のしわは生じておりません。額にもともと刻まれているしわに影響された結果だと考えられますが、よく観察すれば内側前頭筋肉(額にある筋肉の内側部分)が強く収縮しているのがわかり、悲しみが生じていることが推測できます。

 

 

清水建二