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微表情

フラッシュのように一瞬で表れては消え去る微妙な表情、微表情。このブログでは、微表情、表情、顔を始めとした非言語コミュニケーションの研究や実例から「空気を読む」を科学します、「空気」に色をつけていきます。

犬は私たちの表情を読んでいるのか?

 

犬の飼い主であったり、犬と触れ合う機会が多ければ多いほど、「犬にも感情があるのね」とか「犬の表情も色々だな」なんて思われると思います。そして、犬と意思疎通が出来ている瞬間を感じることがあると思います。

 

意思疎通ということは、犬も私たちの表情を読んだり、感情を認識出来ているハズ、ということで、犬が人間の感情を本当に認識出来ているのかについて実験がなされています。

 

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うちで飼っている黒パグ。彼女の目に映る私の表情はいかに!? 

 

実験参加(実験参加ではない!)の犬に、犬もしくは人間のポジティブ・ネガティブな二枚一セットの表情画像を提示します。また、その表情画像が提示されるとき、その表情に一致する声、不一致の声、中立的な声が流されます。

 

つまり、

 

  1. 怒っている人間の表情画像と人間の怒鳴り声(表情―声一致)
  2. 怒っている人間の表情画像と人間の笑い声(表情―声不一致)
  3. 笑顔の人間の表情画像と人間の笑い声(表情―声一致)
  4. 笑顔の人間の表情画像と人間の怒鳴り声(表情―声不一致)
  5. 怒っている人間の表情画像と人間の中立的な声(中立)
  6. 笑顔の人間の表情画像と人間の中立的な声(中立)

 

(犬バージョンの具体例は省略します)

 

こうした様々な表情画像および音声に実験参加犬がどのような反応を示すか観察されました。具体的にはそうした音声×表情画像に犬がどのくらい視線を向けているかが計測されました。

 

実験の結果、わかったことは次の通りです。

 

①実験参加犬は、表情画像がポジティブだろうとネガティブだろうと、声が中立の場合、それぞれの表情に視線を向けている時間に変わりはない。

②表情と声が不一致の場合より、一致している場合の方を好み、一致している表情画像に視線をより長く向ける。

③人間の表情画像より犬の表情画像に視線を長く向ける。

 

①②の結果から、犬が表情から感情を読んでいるというよりは、表情と声のセットで感情を読んでいることがわかります。このことから、犬をしつけるときは、表情だけ怖い顔をするのではなく、同時に怖い声を出して叱る、犬を褒めるときは、笑顔だけでなく、声の調子も合わせて話しかける、というのが効果的だといえそうです。

 

③は、異種より同種を好むということでしょう。

 

やっぱり、犬も私たちを読んでいるのですね♪

 

 

清水建二

参考文献

Albuquerque N, Guo K, Wilkinson A, Savalli C, Otta E, Mills D. Dogs recognize dog and human emotions. Biol. Lett., 2016 DOI: 10.1098/rsbl.2015.0883