微表情

フラッシュのように一瞬で表れては消え去る微妙な表情、微表情。このブログでは、微表情、表情、顔を始めとした非言語コミュニケーションの研究や実例から「空気を読む」を科学します、「空気」に色をつけていきます。

私が目指す科学と経験のハイブリッドへの道

 

空気を読むを科学する研究所が設立したのは、2014年4月です。設立当初から弊社、もとい私が目指しているところは、「科学と経験のハイブリッド」です。

 

私は大学に4年、大学院に4年いました。その間、ずっと思っていたことは、

 

「科学知見と現実世界とはどうつながっているのだろうか?」

「科学知見は現実世界でどう活かせるのだろうか?」

 

ということです。

 

あまりに抽象化された科学の世界から見た現実は、複雑すぎて私には科学がどう現実、もっと言えば私の生活に活かすことができるのかわかりませんでした。

 

もちろん、科学には純粋に科学者の内発的な問いを扱う基礎科学と現実生活に転用可能な応用科学があることは知っていました。

 

しかし、リアルな世界に生きていない私(=いわゆる、社会を知らない一学生だった自分)にとって、応用科学の知見もどのように社会に還元され、応用科学の知見で自分の生活にいかにコントロールを加えることができるのかについて、実感が持てなかったのです。

 

一方で、学部生当時から自己啓発系の書籍をむさぼり読み、その間、ずっと思っていたことは(現在も経験者の方々のお話を聞く度に思うことですが)、

 

「個々人の経験はどの範囲まで再現可能なのだろうか?」

「個々人の経験則から得られた知見はどれほど自分に当てはまるのだろうか?」

 

ということです。

 

個々人の経験から語られる言葉を見聞きすると、その血が通った想いに、心が躍り出すような興奮を覚え、物語を見聞きするような心地よい実感に浸ることが出来ます。しかし、個々人の経験則は、統計的に優位な違いが出るほど、信用できるルールなのだろうか?カリスマ性を持つ人物だからこそ上手く行ったストーリーに過ぎないのではないだろうか?と自分の理性的な思考が感動に邪魔を入れるのでした。

 

そんなこんなで(この6文字には数年間の試行錯誤があるのですが)、科学知見に経験則を重ねてみる、もしくは経験則を科学的に検証する、ということを自分の専門分野においてライフワークにしようと思い、空気を読むを科学する研究所を設立したのです。

 

空気研での活動を通じて、私は人の心理を読む、という科学知見がいかに現実世界、日常やビジネスの世界に応用可能かを様々な観点から考えています。科学と経験のハイブリッドを掲げ、将来的には科学者と実務家のプラットホームのような場を作ることができればな、という構想を夢見ている今日この頃です。

 

 

清水建二