微表情

フラッシュのように一瞬で表れては消え去る微妙な表情、微表情。このブログでは、微表情、表情、顔を始めとした非言語コミュニケーションの研究や実例から「空気を読む」を科学します、「空気」に色をつけていきます。

6割は勝つ方法!科学的感情アプローチ法―嫌悪編

 

本日は、「6割は勝つ方法!科学的感情アプローチ法―嫌悪編」です。

 

嫌悪とは、どんな感情なのでしょうか。

 

嫌悪の表情は、鼻の周りにしわが寄る、というものです。嫌悪は、不快なモノ・人に接することで引き起こされます。嫌悪を感じている人は、不快なモノ・人を除去したいと思っています。

 

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※本画像の権利は、株式会社空気を読むを科学する研究所に帰属します。無断転載を禁じます。

 

感情というものは、自己のネガティブな状態をポジティブな状態にするために、ポジティブな状態はポジティブな状態を保つために存在しています。自分の感情状態を手掛かりに、どのような行動をとればポジティブな状態になれるのか、ポジティブな状態を維持できるのかを意識・無意識問わず、私たちは考え、行動しているのです。

 

つまり、自身や会話相手のネガティブな状態を、表情や声、その他ボディーランゲージを通して気付き、そのネガティブ感情の機能を理解していたならば、その感情の機能を意識的にサポート、促進させるような行動をとることで、ポジティブな状態に変えることができると論理的に考えることができます。

 

具体的に嫌悪の場合で考えてみます。

 

久しぶりに再会した友人とコーヒーを飲みながら談笑していました。昔話で盛り上がっていたところ、二人の共通の友人の名前を私が出したときです。彼女の表情に嫌悪の微表情が一瞬浮かびました。

 

私:そういえば、○○くんは今頃どうしているかな?

彼女:(嫌悪の微表情を浮かべながら)う~ん、どうだろうね。

私:じゃあ、△△さんは、バイト辞めた後、どこに行ったんだろう?

 

彼女の嫌悪を観たとき、彼女は○○くんに嫌悪感を抱いてると考え、それ以上○○くんの話をするのをやめ、△△さんの話に話題を変えました。○○くんに対する不快感を除去することには成功していませんが、これ以上その話題に触れないことで不快感を増長させることは防ぐことができたはずです。

 

後日、他の友人から聞いた話によれば、彼女は○○くんと付き合っていて、ヒドい別れ方をしたらしく、二度と思い出したくない人だったようです。

 

このストーリー、犯罪の取り調べやウソを見抜くためなら逆の使い方をします。容疑者が嫌悪を抱いた箇所は探られたくないところです。だとするならば、そこに探りを入れればよいのです。容疑に関わる証拠が出てくる可能性があります。実例はたくさんありますが、ここでは非公開とさせて頂きます。

 

状況・相手に応じて、感情の機能をサポートする、これが科学的感情アプローチ法と経験のなせる技です。

 

 

清水建二

参考文献

感情の機能については様々なレビュー論文や実証論文を一つ一つ丁寧に読み込むことで理解出来ます。

本ブログでそれを取り挙げると膨大な量になるため、ここでは、感情の哲学を知るために適切な一冊をご紹介したいと思います。読み応えのある一冊です。

 

基盤としての情動―フラクタル感情論理の構想

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