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微表情

フラッシュのように一瞬で表れては消え去る微妙な表情、微表情。このブログでは、微表情、表情、顔を始めとした非言語コミュニケーションの研究や実例から「空気を読む」を科学します、「空気」に色をつけていきます。

FACSを学ぶ

表情分析エキスパートコース

 

弊社のHPにてFACS(ファクス)及びその重要性を書いていますが、簡略にその内容をまとめるならば、

 

FACSとは、解剖学的知見に基づいた顔面筋の包括的な記述の方法論のことをいい、いわば「顔の動きに関するマニュアル」である。その厳密性から、心理学者やアニメーター、工学系のエンジニアらによって広く利用されている。しかしながら、日本でこのマニュアルを習得している人、認定FACSコーダーは数えるほどしかいなく、その数の増加が望まれる。FACS修得の壁と考えられる要素は、覚えるべきその膨大な知識量と英語ではないだろうか。

 

というところでしょうか。

 

以下にこれから書く文章をHPに掲載しようかと悩みましたが、私自身の私見が強いかと感じられましたので、本ブログで公表するのが適切かと思い、「FACSは誰が学べば良いのか」について記載させて頂きたいと思います。

 

ざっくり申し上げますと、「学びたい人が学べば良い」のですが、それではあまり有効なアドバイスとは思われませんので、私の見解を以下に記載させて頂きます。

 

「FACSを学ぶ」

 

誰もがこのマニュアル及び理論を学び、認定FACSコーダーになる必要があるとは思いません。FACSマニュアルを学んだ方が望ましい方とそうでない方をあげてみます。

 

FACSを学んだ方が望ましいと思われる方

・ 表情を部分的に精査する必要がある方

・ 表情を分析する必要がある、分析に興味がある方

・ 表情について客観的に説明する必要がある方

 

例えば、研究者学生表情分析官非言語コミュニケーション系の講師などでしょう。FACSの資格のない非言語コミュニケーション系のある講師の方が自らの顔を使って表情を作って、「これが○○の表情」「これが××の表情」と説明していたのを拝見したことがありますが、残念ならがFACSコーダーの私の目から見ると、不正確なものもありました。その方の顔は単一の表情を作ろうとしていましたが、他の表情筋の動きが混ざり、純粋な単一表情を作ることが出来ていませんでした。表情を分析する人だけでなく、リアルな表情を意図的に作る必要のある人もFACSは重要なツールだと考えます。

 

FACSを特段学ぶ必要はないと思われる方

・ 表情を部分ではなく、全体として認識すれば十分な方

・ 経験を通して、適確に表情を読みとる能力がある方

・ FACS以外の表情分析手法をすでに修得されている方

 

例えば、研究者や表情アナリストを目指すのではない方、日常的に見る表情に対する直感力を磨き、即戦力を高めることを目的としている方にとっては、FACSコーダーになる必要はないと思われます。また経験的に表情を適確に読みとる能力があり、それを人に説明する必要がなければ、FACSを学ぶ必要はないでしょう。

 

FACSは顔の動きを包括的に分析するツールであり、理論です。したがってその手法は、ボトムアップ式であり、普段私たちが人の表情を見る方法とは大きく異なります。FACSでは、人の顔の動きをまず上下の領域に分け、それぞれを部分的に観察し、分析し、そしてそれら部分を再統合し、感情の動きかどうか、左右非対称度、タイミングなどの解釈を行います。一方、私たちは、人の顔の動きをトップダウン式、すなわち何らかのメッセージが込められたパッケージとして、顔全体を眺める傾向にあります。したがって分析的に時間をかけて顔を観る必要がある方にとってはFACSを学ぶ必要がありますが、リアルタイムで表情を読み解く即戦力を求める方にとってはFACSを学ぶ必要はない、少なくとも、表情を学習する上での優先順位は高くないと私は考えます。

 

ここまで読まれて、どうしてもFACSの勉強法を学ばれたい方は、弊社の「表情分析エキスパートコース」にお越し下さい。

 

 

清水建二

参考文献

Ekman Paul, Friesen Wallace, Hager Joseph (2002) Facial action coding system: a technique for the measurement of facial movement. Consulting Psychologists Press, Palo Alto, CA