微表情

フラッシュのように一瞬で表れては消え去る微妙な表情、微表情。このブログでは、微表情、表情、顔を始めとした非言語コミュニケーションの研究や実例から「空気を読む」を科学します、「空気」に色をつけていきます。

ウソ検知の科学①―プロローグ

 

表情・微表情分析を専門にしておりますと、この技法を用いてウソを見抜けるのか、という質問を頂きます。セミナーなどで表情から読み解く感情世界の彩り、素晴らしさについてのテーマで語り、ウソ検知に関して何一つ言及していなくても、こうした質問を必ず頂きます。ウソを見抜くということに関して、並々ならぬ期待・不安・願望などがおありなのかと思われます。

 

微表情からウソは見抜けるのか?

 

シリーズ「ウソ検知の科学」では、微表情とウソ検知の関係を含め、ウソ検知が非言語的な手法を用いてどうなされ得るのか?なされ得ないのか?その精度は?限界は?巷で流れるウソ検知のウソ・ホントなどをご紹介していきたいと思います。

 

これまで微表情検知とウソ検知に関してはあまり多くのことを言及してきませんでしたが、微表情検知のスキルが正しく使われるようになれば良いという想いから本シリーズの掲載をさせて頂くことにしました。

 

そもそも微表情が発見された背景には、ウソが関連しています。1960年代に、自殺願望のある精神病の患者さんと主治医とのやり取りの観察から、微表情は発見されました(詳しくは、Haggard & Isaacs, 1966を参照して下さい)。その後、微表情に関して様々な研究が重ねられ、現在では、アメリカの法執行機関(警察、FBI、CIA等)で取り調べツールの一つとして、精神科医の診断のツールの一つとして、使用されています(参考web参照して下さい)。

 

微表情とウソ検知、この関係は切っても切り離すことが出来ません。しかしこの両者の関係だけにスポットを当てても、正しくウソという現象を捉えることも、ウソを検知するということも出来ません。したがいまして、次回からはウソという現象そのものについて考え、微表情がウソ検知の科学のどこに位置しているのかについて言及させて頂こうと思います。

 

 

清水建二

参考文献

Haggard, E. A., & Isaacs, K. S. (1966). Micro-momentary facial expressions as indicators of ego mechanisms in psychotherapy. In L. A. Gottschalk & A. H. Auerbach (Eds.), Methods of Research in Psychotherapy (pp. 154-165). New York: Appleton-Century-Crofts.

参考web

微表情検知のトレーニングを受けている機関

http://www.humintell.com/about-us/