微表情

フラッシュのように一瞬で表れては消え去る微妙な表情、微表情。このブログでは、微表情、表情、顔を始めとした非言語コミュニケーションの研究や実例から「空気を読む」を科学します、「空気」に色をつけていきます。

機械の目はどこまで読みとれる?-笑い・痛い表情編

 

機械の目、つまりカメラはどこまで私たちの表情を適確にとらえることが出来るのでしょうか?人の目と比べて機械の目(表情分析能力のあるカメラ)は表情読解力に優れてるのでしょうか?本日はそんな謎に迫ります。

 

①怒りを隠した笑顔vs真の笑顔(Hoqueら,2012)

 

フラストレーションを笑顔で隠している人の表情と本当に楽しいから笑顔になっている人の表情を、特殊なカメラと人間の目とで区別してもらいます。どちらが正確に区別できるでしょうか?

 

カメラの正答率:82.3%

人間の正答率:68.98%

(偶然正答する確率は50%です)

 

カメラの勝ちです。

 

②痛いフリした表情vs真の痛い表情(Littlewortら, 2007)

 

痛いフリした人の表情と本当に痛い思いをしている人の表情を、カメラ、人間、どちらが正確に区別できるのか?

 

カメラの正答率:72%

人間の正答率:52%

(偶然正答する確率は50%です)

 

またしてもカメラの勝ちです。

 

しかし認定FACSコーダーが時間をかけて分析すると、カメラの目よりも正確に区別できることがわかっています。

 

ゆえにFACSコーダーの勝ち?

 

やはり機械は凄いですね。でもFACSコーダーは負けてませんよ(笑)まだまだ親は負けません※。

 

※カメラに内蔵されているシステムはFACSマニュアルがベースになっています。

 

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清水建二

参考文献

Littlewort, G.C., Bartlett, M.S. & Kang, M.S. 2007. Faces of Pain: Automated Measurement of Spontaneous Facial Expressions of Genuine and Posed Pain. Proc. ICMI, Nagoya, Aichi, Japan, November 12–15, 2007.

Mohammed E. Hoque, Daniel McDuff, Rosalind W. Picard: Exploring Temporal Patterns in Classifying Frustrated and Delighted Smiles. T. Affective Computing 3(3): 323-334 (2012)