微表情

フラッシュのように一瞬で表れては消え去る微妙な表情、微表情。このブログでは、微表情、表情、顔を始めとした非言語コミュニケーションの研究や実例から「空気を読む」を科学します、「空気」に色をつけていきます。

氏か育ちかー成功者の顔①

 

万国共通に認められる「美しい顔」というものがあります。顔の左右非対称度、眉や目や鼻などのパーツと顔面積の比率などによって誰もが頷くような顔の美しさというものは決まっており、これは生まれ持った資質の影響が多分にあります。

 

お察しの通り、「美しい顔」を持つ人は、社会で生きていくうえで様々な得をしているようです。例えば、「美しい顔」を持つ人はそうでない人に比べ、採用面接が通りやすくなる、ミスに対して許してもらえる傾向が高くなる、犯罪を犯しても刑罰が軽くなる、能力を高く見積もってもらえる、やる気があるように思われる…などなど多くの研究が「美しい顔」を持つことに対する優位性を支持しています※。

 

このように顔には生まれ持った資質の影響がある一方で、顔は、育ち、つまり、生まれ落ちた後の環境や個人の経験の影響によって形成される部分も多分にあると考えられています。よくある例が、顔のしわ、です。眉間にしわが刻まれている方は、平生、よく怒っているか、熟考しているのか、その両方でしょう。目尻に「カラスの足跡」がしわとして刻まれている方は、よく笑う方でしょう。

 

ところで、経験を通して形成された人の顔からその人の成功度合、平たく言えば、稼ぎ、金持ち度なんかを予測できたら面白くないですか?

 

なんと、そんな研究が実際あるのです。

 

ん?それはどんな顔か?

玉の輿にのるために知りたい?

投資する相手がその価値に見合う人間か知りたい?

交渉の時にいくら値上げできるか知りたい?

相手の懐事情がわかれば色々できる。

 

…。

 

そうした目的のための研究ではありませんが…

 

お金持ちの顔とは!

 

長くなってきたので今回はおしまい。

次回ご紹介いたします。

 

※「美しい顔」に関して興味深い研究を紹介してくれる良書として、越智 啓太(著)『美人の正体 外見的魅力をめぐる心理学』実務教育出版 2013年 があります。ちなみに著者の越智氏のご専門は犯罪心理学で、犯罪心理学の世界で高い評価を受けている方です。守備範囲の広さに脱帽します。

 

 

清水建二