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微表情

フラッシュのように一瞬で表れては消え去る微妙な表情、微表情。このブログでは、微表情、表情、顔を始めとした非言語コミュニケーションの研究や実例から「空気を読む」を科学します、「空気」に色をつけていきます。

法の執行官と私たち、ウソを見抜くのはどっちがうまい?

 

 

 警察官、検察官、弁護士、裁判官、FBI、CIA、シークレットサービスなどの法の執行官は日々、犯罪に立ち向かい、犯罪者のウソに向き合っています。そんなウソを見抜くプロの彼らと私たちのウソ検知力(真実とウソを正しく識別する能力)にはどのくらいの差があるのでしょうか?

 

結論から申し上げますと…

 

ほぼ差はない!

 

ということです。

 

法の執行官のウソ検知力は、

55.91%

一方私たちのウソ検知力は、

54.27%

です(Vrij, 2008)。

 

ただしこの数字はウソ検知のための特別な機械―いわゆるウソ発見器や脳波測定器―を使わずにウソを検知しようとした場合です。それでも意外な調査結果ですよね。犯罪者には朗報、犯罪のない生活を望む私たちにとってはガッカリでしょうか?

 

 しかしこの調査をより良く見ると、一部の優秀な捜査官やCIAエージェント、シークレットサービスのウソ検知力は60~80%を超えています。例えば、シークレットサービスは大統領を警護するにあたり、膨大な人の顔の動きや身体の動きに日々意識を向けています。その職務上備わった能力によって、ウソをつく者の顔や身体から漏れ出る違和感を瞬時に見抜けるのだと考えられています。

 

 私たちの中にもウソ検知能力が高い部類の人がいることがわかっています(Warren, 2009)。不快な感情を隠しているか否かを表情から判断する実験において、微表情(正確には微細表情)読みとり力が高い人は、例えば作り笑いで隠されている不快な感情を見抜く能力に長けていることがわかっています。その検知率は、64.35%ですので、先の優秀な捜査官と同じレベルです。

 

 「ウソを見抜く能力」、そんなふうに書くと何か怖い感じがしますが、瞬間的に直接ウソを見抜ける人など、超能力者くらいでしょう。優秀な捜査官も微表情識別力に優れている人でも、「なんとなくの違和感」からウソ検知のためのアンテナが立ち、より細かな探りに入り、ウソか否かの結論を下すのだと思います。

 

この「なんとなくの違和感」「空気感」を感じ取る能力は、犯罪者のウソ検知という物々しい世界とは別に、人の感情の機微を感じとる能力に通じます。職場内の同僚、部下を気遣ったり、上司の顔色を見て意見を変えたり(笑)、お客さんの感情の変化からセールスポイントの力点を変えたり、老人ホームの利用者さんの様子を伺ったり、お子さんの心の成長を見守ったり、と様々なところで役に立つスキルです。

 

微表情検知力はそんな「なんとなくの違和感」「空気感」を見える化します。

 

最後に宣伝です。

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清水建二

参考文献

Aldert Vrij. (2008). Detecting Lies and Deceit Pitfalls and Opportunities. Second Edition. John Wiley & Sons, Ltd.

Warren, G., Schertler, E., & Bull, P. (2009). Detecting deception from emotional and unemotional cues. Journal of Nonverbal Behavior, 33, 59-69.